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2. 情報技術研究開発の領域構成と推進方向

 本章では、まず、議論の出発点として昨年度レポートにおいて提示した「IT R&Dの構成領域」を、再度検討する。

 

2.1 情報技術を分類する新しい構成領域と基軸

 昨年度の調査研究では、下図表に示すように、プラットフォーム、コンテンツ、ユーザインタフェースの3つの領域から情報技術を捉えることを提案し、その各々に関して、求められる要件(基軸)を示した。

図表 情報技術の構成領域

 

(1) プラットフォーム
 プラットフォームは、ITの基本機能である情報処理と通信を提供するレイヤであり、中央処理装置、各種プロセッサー、記憶装置と、内部バス、外部バス、ネットワークの構成によって具現化されるものである。プラットフォームに求められる技術革新の方向は、「高速化」、「広域分散化」、「高セキュリティ化」である。
図表 プラットフォームの発展方向
(2) コンテンツ
 コンテンツは、情報処理、通信の対象となるデータ、情報、知識であり、データベース管理技術、マルチメディア符号化等の技術によって具現化されるものである。コンテンツに求められる技術革新の方向は、「マルチメディア統合」、「異種分散統合」、「概念意味統合」である。
図表 コンテンツの発展方向

 

(3) ユーザインタフェース
 ユーザインタフェースは、人間とITとの接点であり、そのための入出力技術によって具現化される。ここで入出力技術とは、コンピュータの入出力装置だけでなく、センサーやアクチュエータ等も含んでいる。ユーザインタフェースに求められる今後の発展方向は「マルチモーダル」、「人体・環境との一体化」、「擬人化」である。

 

図表 ユーザインタフェースの発展方向

 

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