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2.3 IT R&DにおけるHCI&IM領域の研究開発

 HCI&IM(Human-Computer Interface and Information Management、ヒューマン・コンピュータ・インタフェースおよび情報管理)では、ヒューマン・コンピュータ・インタフェース技術を発展させ、コンピューティング装置や情報リソースを管理し活用する能力を高める高度なテクノロジの研究開発を行う。 HCI & IMでは、幅広い研究テーマを扱うことにより、生体臨床医学、商業、危機管理、教育、法執行、図書館学、製造、国防、学問、気候分析など多くの分野で新たなITの可能性を生み出している。

 Blue Book 2001では、多くの研究開発事例が紹介されているが、特に2001会計年度の研究開発のトピックとして、以下のものを挙げている。
(下記のカッコ内は、本報告書内の参照章節を示す。)

(1) 遠隔/自律システム:

(2) コラボレーション、ビジュアライゼーション、バーチャルリアリティ:

(3)「Webベースの知識データベース」と「データの収集/分析を行う情報エージェント」:

(4) マルチモーダル・インタラクション
   (人間とコンピュータ・システムとの間の多様な対話):

(5) 多言語翻訳:

 以上のBlue Book 2001に紹介されている研究は、議会への予算要求等の目的もあり、成果を示すという面が強いと言えるだろう。一方、PITAC(大統領直属情報技術諮問委員会)の勧告に基づく、最近の基礎研究重視の政策を直接反映したIT R&Dの目玉とも言えるNSFのITRプログラムは、2000年9月に初年度の助成プロジェクトが採択されたところであり、成果が出始めるのはこれからである。したがって、ITRプログラムについては、まだ、Blue Bookでは触れていない。これは、Blue Book 2001の公表が同じく9月だったため、掲載に間に合わなかったものとも考えられる。
 そこで、本章では、まずITRの概要について説明し、その後、Blue BookでもIT R&Dハイライトで取り上げられているデジタルライブラリ・イニシアチブ(Digital Library Initiative)について説明する。IT R&D計画におけるその他の「人間主体の知的情報技術」に関連する研究については、Blue Book 2001の「HCM&IM」研究開発テーマに関する部分を付属資料2に掲載してあるので、そちらを参照願いたい。「付属資料3.HCI&IM研究開発テーマと助成エージェンシー」では、その研究開発テーマと対応する助成エージェンシーの関係を、見やすい表形式で示した。

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