【前へ】

3.5 IPRの創出状況

 3.5.1 全体の動向

 プロパテント政策が効を奏し、80年代以降、米国特許は急増しているものの、2000年(同年6月末速報値から推定)に入ってから取得数の伸びが鈍化、認可率が大きく下げている。USPTOの処理能力不足が最も確からしい理由として考えられる(誤差である可能性もある)。前項で述べたUSPTOの規模拡大政策も、この処理能力不足を解消するためであると考えられる。


<米国特許申請数・取得数・認可率推移>

 


3.5.2 特許種類別

 プロパテント政策の結果、以下の分野で顕著に特許取得件数の増加が認められる。特に上昇が顕著な1996-1999年までの年平均増加率は、Class705(ビジネス)が67%、Class 700(ソフトウエア)が5%、Class 435(バイオ)が24%である。(ちなみに、上記全特許取得件数の1996-1999年平均増加率は12%。)

 

(1) ビジネスメソッド特許
 クラス705 ビジネスメソッド特許取得数上位者の推移(1977−1999)をみると、ネットベンチャーよりもエレクトロニクス業界大手企業、そして近年は金融サービスやマイクロソフトが顔を出し始めた。日本企業占有率は徐々に低下している。

 

  2000年分の最新データによると、クラス705 ビジネスメソッド特許はその申請数が2000年は前年の2.8倍、取得数は1.5倍以上に膨れ上がった。

 


3.5.3 研究開発主体別

 米国特許の取得状況を大学、国研、民間企業と分けてみると、やはり企業のプレゼンスの大きさが突出している。政府と大学を比較すると、B-D法の効果であろう、大学の取得件数が政府のそれを追い抜いているのがわかる。「Title in Contractor Policy」が効を奏していると言えよう。


 

3.5.4 省庁別

 各研究開発主体は複数の省庁から財政支援を受けているため、各R&D実行主体の研究開発費用を省別に分類し、各実行主体別に1特許当り平均R&D費を算出、特許創出への貢献度を省別に計算すると、やはり国防省の貢献度が突出している。

 

 

【次へ】