「YHに行きたいんだけど。」っていったら、51BFだと言われた。どうやらちゃんと行くらしい。
バスは出発すると、まずLiegeの街を抜けてまっすぐまっすぐいく。大きな河 を渡って、それ沿いにいく。ちょっと郊外にあるのかなぁ。バスは、今度は鉄 道の下をくぐって街からどんどん離れていった。もう何度もカーブしているか ら、どっち向きに走ってるかも解らなくなってしまった。T字路を曲ってから、 パタッと家が無くなった。
森の中の国道のような感じのところをけっこうガンガンとばしてバスは走る。 そのころからもう暗くなってきた。バスにのってすでに20分以上経ってる。
「本には5minって書いてあったのにぃ。」不安で不安でしょうがなかった。しばらく森を走ると左にカーブして、踏切が あった。だいぶ遠くに来てしまった。その踏切の向こうに小さな町が見える。「どこに連れてかれちゃうのかなぁ。」
「下ろされたら帰れないよ」
「野宿はやだなぁ、蛇とかやだし。」
「結構寒いんだけど」
「はまった。となり町に来てしまった。」でも、バスは停車せずに通り抜けてしまいそうだった。それぐらい小さな町だ 。もう1度曲ってすぐ、バスは右に寄って止まった。
「YHはここだよっ。」という状態。バスを降りたのは俺だけ。町を歩いてる人は誰もいない。バスは 行ってしまった。「げ、まぢでこんなとこにあるんスか。」