ICOTフリーソフトウェアについて

1.経緯

 (財)新世代コンピュータ技術開発機構(Institute for New Generation Computer Tecnology:ICOT)は、第五世代コンピュータ・プロジェクトを 開発・推進することにより、知識処理や並列処理に関する数多くの先進的ソフ トウェアを生み出してまいりました。これらの先進的ソフトウェアを広く世界 に公開し、知識処理や並列処理の分野で活用していただくために、通商産業省 の指導のもとに、ICOTはこれらのソフトウェアを「ICOTフリーソフトウェア (ICOT Free Software:IFS)」という名称で公開することを決定致しました。最 初の公開は、平成4年6月に開催された「第五世代コンピュータ国際会議 1992 (FGCS'92)」において行われ、この時は、71本のソフトウェアが公開さ れました。

 その後、平成5年3月に第五世代コンピュータ・プロジェクトが終了し、こ れを受けて同年4月から第五世代コンピュータ技術のさらなる発展とより広範 な普及を図るために「第五世代コンピュータの研究基盤化プロジェクト(後継 プロジェクト)」がスタートしました。

 この後継プロジェクトの目的は、第五世代コンピュータ技術を既存のコンピュー タ技術と融合させ、新しい知識処理技術やその応用ソフトウェア技術を研究開 発し、基盤化することにより、世界のコンピュータ科学及びその応用分野にお ける研究開発の推進や発展に寄与していくことにありました。これに伴い、後 継プロジェクトにおいては、第五世代コンピュータ・プロジェクトにまして、 国際的貢献への努力が重要な課題となりました。ICOTでは、後継プロジェクト においてもフリーソフトウェアの公開を続け、平成5年6月の「第五世代コン ピュータ・シンポジュウム」の時に、さらに6本のソフトウェアを追加公開、 さらに平成6年11月末には後継プロジェクトの開発目標の一つである汎用機 上の並列論理型言語処理系KLICを含む7本のソフトウェアを追加公開しました。 さらに平成7年3月末の時点で16本の公開を行ない、合計で100本のIC OTフリーソフトウェアを公開しております。


2.目的

 ICOTでは、通商産業省より委託された「第五世代コンピュータ・プロジェク ト」を推進してまいりました。また、平成5年度から平成7年度までは、「後 継プロジェクト」を実施致しました。これら両プロジェクトでは、並列論理処 理を中核メカニズムとする新しいコンピュータの基礎技術を創出し、その知見 と技術を世界の研究者と共有することにより、コンピュータ科学の発展に貢献 することを目的としておりました。これらのプロジェクトによって、並列推論 マシン、並列推論ソフトウェア技術といった新しい技術が開発され、また、こ うした技術開発に伴い、多くの先進的なソフトウェアが試作されました。これ らのソフトウェアは、基礎的な研究開発段階にあるため、多くの研究者に広め 発展させていくべきものです。 そこで、ICOTでは、両プロジェクトの国際貢 献の目的に鑑み、著作権が国ではなく、ICOTに帰属することとなるこれらの研 究開発段階のソフトウェアを、「ICOTフリーソフトウェア」として公開してま いりました。これらのソフトウェアについては、研究開発のための障害となる いっさいの制約をはずすことによって、多くの研究者の方々に利用していただ き、新しいコンピュータ科学への貢献することを希望しております。

3.ソフトウェア一覧

1992年から1994年にかけて、財団法人 新世代コンピュータ技術開発 機構(ICOT)は合計100本のソフトウェアをICOTフリーソフトウェアとし て公開しました。その一覧は、 こちらを ご覧ください。

また、現在でも活発に研究開発が行なわれ、保守・改良が行なわれているソフ トウェアについては、 こちらのページを御覧ください。