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並列記号処理技術 (汎用的な大規模並列処理技術)

従来の技術では、知識処理の問題の高度並列処理は一般に困難とされていた。 しかし、本プロジェクトで開発された技術は、並列処理に用いるプロセッサの 台数を大幅に増加させ、それらのプロセッサを有効に稼働させる得るこ とを示した。実際に、千台規模までのプロセッサ数について、ほぼその台数に 比例した処理速度が得られることを確認し、さらに、数十万台の規模について も有効に稼働させ得る見通しを得た。また、この技術によれば、大規模な並列 ソフトウェアを効率良く作成可能であることを、多くの実験的応用 システムの作成を通して実証した。

このような汎用的な大規模並列処理の技術は、近く到来する本格的な並列 処理、分散処理の時代に向けて、並列ソフトウェア作成に関するボトルネッ クを解消し、ソフトウェア危機の解決に大きく貢献できることを示した。さらに、 この技術によって、従来のノイマン型コンピュータの数百から数千倍の 処理能力の実現方式が確立したことから、述語論理に基づく 高次推論機構の実現、本格的な知識ベースの作成、知的対話処理の実現など、 従来技術では到達不能であった研究領域へと踏み込むことが可能となった。