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知識情報処理技術についての当初目標の達成度

知識情報処理技術については、プロジェクトの当初目標では、知識ベースのソ フトウェアとしての知識ベースメカニズムと、ハードウェアとしての知識ベー スマシンがテーマとして挙げられていた。また、知的インタフェース・システ ムがテーマとして挙げられ、自然言語処理の他、音声・画像処理も含まれてい た。これらのインタフェース・システムのテーマは、中核技術の上に築かれ、 その検証にも役立つテーマと位置付けられていた。

知識ベースメカニズムについては、Kappa-P によって実現されている。また、 知識ベース・マシンについては、PIM がファイルシステムを備えることで、当 初目標が達成されている。

知的インタフェース・システムについては、音声や画像を数値的なデータとし てではなく知識情報として扱うためには、膨大な背景的知識の蓄積と構造化が 必要であることが、研究の進捗と共に明らかになった。このため、プロジェク トの中間段階からは自然言語処理を中心を据え、背景的知識の蓄積と構造化の ための基礎技術、すなわち、論理を共通基盤とする知識表現と、高い自由度で 表現した知識の並列処理に的を絞った研究開発が行なわれてきた。具体的なイ ンタフェース・システムの開発にまでは至らなかったが、基礎技術の研究開発 成果は実験的応用システムに適用され、知的インタフェース技術の基盤技術と して有効であることが実証された。