平成9年度 委託研究ソフトウェアの中間報告

(7) 汎用並列マシン上のMGTPと高度推論機構の開発

研究代表者: 長谷川 隆三 教授
九州大学大学院 システム情報科学研究科


研究テーマ、研究代表者:
(1)研究テーマ
汎用並列マシン上のMGTPと高度推論機構の開発

(2)研究代表者(氏名、所属、役職)
長谷川 隆三、九州大学大学院 システム情報科学研究科 教授

記述項目:
(1)研究進捗状況

PIM上で開発した並列実行方式をそのまま商用並列マシン上に 実装してもPIM上で実証されたほどの性能はでないことがいく つかの実験で判明した.これは,商用並列マシンはPIMに比べ 通信効率が劣るためであると考えられる. そこで,PE間通信を抑えるN逐次実行方式を考案した.従来の 並列化方式が「仕事があれば並列に実行する」というものであっ たのに対し,新方式は,「PEが暇なら仕事を分配し,かつPE 内は逐次実行」という考えに基づいている.

MGTPの普及化のために,HTMLとCGIを用いて,MGT Pの実行環境を試作した.この環境では,MGTPはWWWサー バがあるマシン上で走行するため,サーバに負荷が集中するとい う問題が生ずる.この問題を解決するために,WWWクライアン ト側でMGTPの実行を行えるように,MGTPのJava化を 行った.種々の実験を通してオブジェクト構造の改良を行った結 果,KLIC−MGTPと同程度かそれを上回る性能がでること を確認した.

(2)現在までの主な成果

(3)今後の研究概要

ルール間優先順位に基づく推論を実現する第一歩として,通常の 推論で生成されたモデル群に対してルール間優先順位による選別 を後処理として行う方式ならびに,実行時に動的に行う方式の検 討を行う.また,アルゴリズミックな探索法(α-β法など)を規 則として記述できるように機能拡張したMGTPの開発を行い, その探索効率の評価を行う.

MGTPのGUIシステムをWWWブラウザを用いて作成する. まず,Java−MGTPのアプレット化を行い,プラットホー ムを選ばない実行環境を提供する.さらに,否定制約を扱える制 約MGTPのJava化を進める.また,Java−MGTPの 速度向上を図るためにJavaによる弁別木プログラムの開発も 行う.

(4)今年度目標成果ソフトウェアイメージ

WWWブラウザがMGTPの基本ユーザインターフェースとなる. MGTPの試用ができるホームページを開設する.ホームページ からダウンロードする実行環境とホームページの実行環境は,ユ ーザからは同じに見える.問題を,テキスト入力し,証明が終る と数々の統計情報とともに証明木が図示される.このような図的 インターフェースの他に,従来のコマンドラインによるインター フェースも提供し,バッチ的処理も行える.


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