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3章 米国政府支援SDP(Software Design and Productivity)研究開発の動向

3.2 NSF SDPワークショップ

 PITACの提案により、SDPの研究開発予算はついたものの、PITACの提案は、具体的にどのような研究を行えばよいか必ずしも明らかではない。そこで、NSF のFrank Angerが座長となって、後述する米国の著名な研究者(他に省庁の研究機関担当者も出席)が、2001年4月18~19日にアーリントンに集まって開催されたのが、本ワークショップ[2]である。

 

3.2.1 SDPワークショップの狙い

 本ワ−クショップでは、Frank Angerがイントロとして、ソフトウェアの現状は、以下のようであり、

 ●全米でソフトウェア技術者200万人

 ●サポートスタッフ35万人

 ●まだまだ空きポスト多数

従って、以下のことを達成しなければならない。

 ●ソフトウェア生産性の劇的向上

 ●高いソフトウェア品質

と説明し、前述したPITACの提言を説明した後、本ワークショップでは、以下の点をあきらかにするのがねらいであるとした。

 ●解決すべき基礎的な問題は何か

 ●真の障壁と挑戦とは何か

 ●どの方向がもっとも有効か

 ●何が理想的な成果か

 ●どのように研究を進めるべきか

この「どのようなソフトウェア研究をすればよいか」の議論を基にして、SDP(Software Design and Productivity)の研究計画を作ろうということで、以下の4つのグループに分かれて検討がなされた。

 ●ソフトウェア研究の将来

 ●新ソフトウェア開発パラダイム

 ●実世界ソフトウェア

 ●ネットワーク中心のシステム

これら四つのグループの参加メンバを表3.1に示す。


表3.1 SDPワークショップ参加メンバ

ソフトウェア研究の将来

新ソフトウェア開発パラダイム

Barry Boehm, USC

Benjamin Pierce, Univ. of Pennsylvania

Doris Carver, Louisiana State Univ.

Shankar Sastry, UC Berkeley

Bonnie John, Carnegie Mellon Univ.

Kevin Sullivan, Univ. of Virginia

William Mark, SRI International

Grady Booch, Rational Software

Ralph Johnson, Univ. of Illinois

Gregor Kiczales, Univ. of British Columbia

Charles Simonyi, Microsoft

John Vlissides, IBM

実世界ソフトウェア

ネットワーク中心のシステム

Don Winter, Boeing Phantom Works

Martin Feather, Jet Propulsion lab.

Gabor Karsai, Vanderbilt Univ./ISIS

Patrick Lardieri, Lockheed Martin

Cleve Moler, MathWorks, Inc.

Edward Lee, UC Berkeley

Ian Foster, Argonne National lab.

Doug Lea, State Univ. of New York at Oswego

Adam Porter, Univ. of Maryland

Rick Schantz, BBN Technologies

Jim Waldo, Sun Microsystems, Inc

 

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