米国における最近のIT重点分野に関する調査
ここではまず、電子図書館と電子政府の一般的な領域で実施されている研究活動に関する背景、周囲の環境、起源について簡単に振り返る。具体的には、これらのイニシアチブが国内の関連機関が協力する形で計画され、実施されるに至った背景について、知的資源、戦略、プログラムといった観点から検証する。これらのイニシアチブのもとで進められている研究プログラムは、多くの政府機関や民間企業にとって年間予算の相当部分を占めるようになった半面、こうした成果を上げるまでの道のりは、仮に結果論的にいかに刺激的な効果があっても、決して平坦なものとは言えない。こうした経験を背景として、今後の同様な取組みに向けた洞察と明確なガイドラインが得られるものと考える。
インターネットの商用化が始まって、約10年間が経過した1990年代の初頭に、World Wide Webは、単にビジネスの領域だけに限らず、一般国民にとっても重要な情報源となりつつあった。今、文明社会における生活のあらゆる局面で不可欠の要素になるまで普及したインターネットの指数関数的な成長が始まったのが、ちょうどこの頃である。半面、こうした急成長は、一般には予想も付かなかったような問題点も生んできた。まず、もともとアナログの形式であった情報がデジタル化されたことにより、ネットワークに情報の洪水が起きるようになった点である。第二に、インターネットで利用できるデジタル・データが増大するに従って、情報の真偽を見分けることが一段と難しくなった点が挙げられる。同時に、ネットワークに素材を提供するマルチメディア・テクノロジーの普及も、問題をなお深刻化している。たとえば、素材の新旧や公開/未公開を問わず、多様な形態のデジタル・ソースが考えられる。具体的には、参考資料、書籍、刊行物、新聞、電話帳、地図、音声、画像、ビデオ・クリップ、科学データ、個人情報サービス(株式市場レポートなど)である。これらの情報源は、インターネットをはじめ、当時登場しつつあったその他のタイプのコンピュータ・ネットワークで可能になった結果、やがて登場してくる汎用アクセスに対応した電子図書館の重要な要素となった。
電子図書館イニシアチブは、産官学を問わず、あらゆるセクターで注目を集めたテクノロジー/アプリケーション/ユーザーのこのような結節点という背景の下で研究テーマとして登場した。全米の大学の研究/教育プログラムを支援しているNSF(National Science Foundation: 全米科学財団)ではまず、デジタル時代における汎用的な情報アクセスの障害となる要素を取り除くべきである点が指摘された。またNSFは、単にネットワークの全てのユーザーや全てのデータの間を結んだだけでは、電子図書館の可能性を十分に引き出したことにならないことも理解していた。つまり、経済的な活力のあるネットワークの力を蓄え、多岐にわたる分散したソースに現存している情報や新しい素材から成る膨大なデータベースをデジタル化する必要がある。この場合、使いやすく、コスト効果に優れた方法で、情報の保存、サーチ、処理、検索、配布といった新しい機能が不可欠になってくる。これには特に、基礎研究と「知的」ソフトウェアの開発が必須の条件となる。こうした発想が端緒となって、各機関連携で実施している電子図書館研究イニシアチブ (DLI)のフェーズ Iが形成された。
1年間に及ぶ集中的な検討を加えた結果、NSFの「情報/ロボット工学/インテリジェント・システム」部門では1994年、電子図書館について大規模な研究イニシアチブ[DL3]を実施すると発表した。この機関連携プログラムの目標は、情報の洪水をデジタル時代のライブラリに変身させるという、単純、かつ壮大なものである。NSFでは、NASA(米国航空宇宙局)やDARPA(米国国防総省高等研究計画局)など複数の関連機関の資源を有効利用しながら、この野心とリスクに富んだプロジェクトを推進すべく、必要な財源と管理体制の両面からの調整を行った。イニシアチブの目標に向けて3つの機関は、研究の方向性を決める指針として、技術面と設計面にかかわる一連の概念についてまず、共通の認識を持つことに努めた。また電子図書館について、現在でも通用する次のような長期ビジョンも示している。
DLIプログラムには、以下のようなビルトインされた明確な特徴があり、それが目標達成に貢献した。まず数年間に及ぶ研究活動で、安定したコスト効果のある財源が確保できるように計画されている。第二に、産業界のチームとその他の民間パートナーで構成した大学主導型コンソーシアムを対象に助成金を拠出している。第三に、いずれのコンソーシアムもプロジェクトの要件として、具体的なコンテンツを中心にテストを実施した研究用の電子図書館を開発するという点である。これらの実験用のテストベッドは、後で研究やその他の目的で一般からもアクセスできるようにする。表2.1にDLI-Iが財政支援を提供している各研究コンソーシアムについて要約してある。
| 主導する研究所 (合計支援額) |
主な研究パートナー | テストベッドの内容 | 技術的特長 |
| Carnegie Mellon University (480万ドル) | Microsoft、DEC、Bell Atlantic、QED Communications、CNN、Open University、バージニア州フェアファックス公立学校 | 各種メディア対応のデジタル・ビデオ(数学、科学、ニュース記事) | デジタル・ビデオ検索に向けた音声、テキスト、画像処理の統合 |
| University of California, Berkeley (400万ドル) |
Xerox、カリフォルニア州資源局、カリフォルニア州立図書館、ソノマ郡立図書館、サンディエゴ行政団体、The Plumas Corp.、シャスタ郡教育局、HP | 環境データベース | 多様な情報構造と画期的なユーザー・インターフェイス |
| University of Michigan (400万ドル) |
IBM、Elsevier Science、Apple Computer、Bellcore、UMI International、McGraw-Hill、Encyclopaedia Britannica、 Kodak、Mellon and Kellogg Foundations |
地球/宇宙関連のマルチメディア | インテリジェント・エージェント/コラボレーション・テクノロジー |
| University of California, Santa Barbara (400万ドル) |
State University of New York ミ Buffalo、University of Maine、業界パートナー | 地理情報 画像や地図を含む |
ユーザー主体の空間システム |
| Stanford University (360万ドル) |
Association for Computing Machinery、Bellcore、Dialog、 EIT、HP、ITC、Interval Research、OユReilly and Associates、WAIS Inc.、NASA Ames、Xerox PARC、Hitachi America |
統合仮想図書館のアーキテクチャとテクノロジー | 異機種対応と相互運用性 |
| University of Illinois, Urbana-Champaign (400万ドル) |
National Center for Supercomputing Applications、University of Arizona、IEEE、 American Physics Society、John Wiley & Sons、U.S. News and World Report |
科学技術関連誌 | 各知識ドメインを対象としたデジタル・リポジトリのスケーリング |
DLIの学際的な特性とその支援のために機関横断的にプールされた資源が確保されるため、プログラム管理の作業は控え目に言っても、やりがいのある仕事である。NSFではプロジェクトの最初の段階ですでに、すべての参加全機関から専門知識やその他の資源を効果的に利用した総合的な管理チームを編成すべきである点を認識していた。このNSFが管理下に設置するこの管理チームが計画、プログラムの発表、プロジェクトの選択、研究結果の評価といったプロセス全体を監視するほか、財務面や技術面での総合的な管理を担当した。また管理チームでは、6つの研究コンソーシアムが、個別の技術的な目標を達成すると同時に、全体の総和として最大限の効果が得られるように、画期的なプロセスを考案した。たとえば、"Principle Investigators Conference"(代表研究者会議)を設置し、最新の研究成果を発表する機会とした。この会議は、6つのサイトが6か月ごとに順に持ち回りでホスト役を務める。また、幾つかのワーキング・グループを設け、共通に関心のある重要テーマを担当することとした。具体的なテーマは以下の通りである:ユーザー・インターフェイス、メタデータ、電子図書館の利用に伴う条件、DLIの研究成果の商用化に関する技術移転の問題。
初期のDLIイニシアチブ(後の"DLI-I"として知られる)が順調な滑り出しを見せた結果、今後の知識ネットワークがどのような形態になるのか、また研究コミュニティがその目的を達成するために、どのような貢献ができるかに関する詳細設計ができ上がった。これにより一般国民は、電子図書館が社会に幅広く応用できる大きな可能性を秘めていることを認識するようになった。国際的にも、各研究コミュニティが、世界的規模で相互に作用した結果、現在では電子図書館が、境界を越えたコラボレーションの必要な共通した展望であるという認識が定着しつつある。こうして、DLI-Iのプロジェクトが始まったばかりの段階で、NSFの管理は早くも後続のプログラムに速やかに、しかも慎重に移行することになった。DLI-Iプロジェクトの最初の1年間で、機関連携の管理チームは、2つの戦略的な対策を取った。まずフォローアップ・イニシアチブの技術的な範囲と枠組みを中心に調査する企画作業グループを設置した。このグループは、電子図書館イニシアチブの第2フェーズ(DLI-II)の基礎を構築した[DL2]。2つ目は、NSFの上層部との連携によって、新しいイニシアチブを支持する政府機関や民間企業を募る一連の対策を実施した。こうした対策により、新たに参加を決めた政府機関が増えた結果、DLIのあり方と範囲が大きく様変わりすることになった。同時に、国家規模のコンピューティング/ネットワーク・インフラ(第4章参照)の開発が急ピッチで進められたことにより、電子図書館テクノロジーが持つ多様な用途を探る研究プログラムが積極的に実施されるようになった。
1998年、DLI-Iプログラムの完了とともに、目的、範囲、実現の戦略がまったく異なる新たなプログラムとして"DLI-II"が発表された。NSFの発表[DL4]では、次の目標が提唱されている。
DLI-Iの流れを継承したDLI-IIでは、プロジェクトの主眼も、純粋な技術面重視型から、より人間主体型システムへとシフトしている。たとえばDLI-IIでは、電子図書館のライフサイクル全体を通じて、次のような問題の解決を目指している。
表2.2に、 DLI-IとDLI-IIが相互に補完し合うそれぞれの目標をまとめてある。
DLI-IIプログラムには、新しい特長がいくつか見られる。まず、財政支援を提供する機関の数が大きく増大した。DLI-Iの3つの主要機関(主導機関のNSF、NASA、およびDARPA)に加え、NLM(米国国立医学図書館)、議会図書館、米国人文科学基金(National Endowment for Humanities)も共同スポンサーとして参加している。これら3つの機関の共同スポンサーとしての参加により、プログラムの特性と対象範囲は大きく影響を受けることになった。プログラムに対する財政面/運用面での資源が拡大しただけに限らず、それぞれの機関が持つ専門知識、応用範囲、社会的な利用価値が相乗効果を発揮してDLI-IIがみずからの目標を達成する可能性が大きく広がった。
DLI-Iの主導機関であるNSFをはじめ、NASAとDARPAの支援機関が引き続きリーダーシップを取って、DLI-IIの技術面に関する枠組みを取り決めた。研究分野は、概略として次の3つのテーマに分類された。
・ 人間主体の研究
デジタル情報の作成、検索、利用に伴うユーザー側の操作を改善し、目標達成に向けた画期的なアプローチを開発できるように、電子図書館が持つ影響や潜在能力に関する認識をさらに深める。たとえば、次のようなテーマを中心とした研究を行う。
新しいデジタル・コンテンツ/作品に対する理解とアクセスの強化を目指す。次のようなテーマを中心に研究を行う。
個人、グループ、機関の各レベルで、柔軟性と即応性のあるダイナミックな情報環境を実現するためのコンポーネント・テクノロジーと統合技術を中心とした研究を実施する。主な研究のテーマは次の通りである。
電子図書館イニシアチブのフェーズ2(DLI-II)は、DLI-Iに比べ、規模と範囲の両面で格段に大きくなっている。総額400百万ドルの予算を求めて、提案数230件の応募(従来の3倍に相当)があったが、実際に予算割り当てを獲得した提案は24に過ぎない。この24のプロジェクトでは、DLI-Iの6コンソーシアム・プロジェクトの総額に比べ、2倍相当の財源が確保できた結果、取り上げるテーマやメディアの種類も当然、大きく拡大されている。活動範囲、財政支援、多様性が広がったことは、この分野の成熟度をはじめ、一般的な認識、DLI-Iプロジェクトの貢献度がともに高まっていることを反映したものである(この点については後述する)。これに呼応して、個々の新規プロジェクトでも、当初の意図どおり、研究の対象範囲も大きく拡大された。たとえば、新しいタイプのメディアをテーマとして次のプロジェクトが進められている。
また、次の新しい分野におけるコンテンツを扱ったプロジェクトもある。
最後に、DLI-IIプロジェクトによっては、まったく新しい技術分野の研究を行っているものもある。たとえば、次の通りである。
これ以外にも、テーマの範囲とメディアの利用範囲の拡大を目指すプロジェクトも進められている。たとえば、コロンビア大学(Columbia University)では、患者情報の医療分野で画期的な要約方法の開発が実施されている。24のプロジェクトをはじめ、研究内容の説明、連絡先に関する情報は、次のNSF DLI-II Webサイトで確認できる。:http://www.dli2.nsf.gov
DLI-IIには、その幅の広さと豊富さ以外に、2つの特長がある。1つは細部に渡る広範な活動(具体的には大学教育における研究活動の統合)、そしてもう1つは共同研究用に向けた国際パートナーシップの確立という点である。NSFの教育/人材委員会(Education and Human Resources Directorate)では、電子図書館の研究活動と教育用テストベッドを連携させる道を探るために、具体的な教育目標を定めたプロジェクトの支援に向け追加予算を提供する形でDLI-IIプログラムに参加した。電子図書館の研究には、後述するとおり、国のあらゆるレベルでの教育に最も重大な影響を潜在的に及ぼす可能性がある。DLI-IIのもとで、国内の伝統的な研究コミュニティにとらわれることのない、重要で画期的なパートナーシップは、コラボレーション・プロジェクトを通じて世界のDL研究コミュニティにアクセスできる公式リンクにもなる。DLI-IIを補足する個別のプログラムが開発され、これが米国の研究グループと他国のパートナーの間で数多くの共同研究プロジェクトを支援するようになった。表2.3に、DLI-IIが海外の協力機関と共同で確立した新しいパートナーシップで実施するプロジェクトの特長をまとめてある。
| 国内機関 | 海外パートナー | 研究対象 |
| University of California at Berkeley | University of Liverpool(英国) | テキスト/数値/空間データの検索と使用に対応するメタデータ |
| Cornell University コンピュータ科学部 |
University of Bristol(英国) Distributed Systems Technology Center(オーストラリア) |
テクノロジーの習得とリモート学習 |
| Cornell University、 Los Alamos National Laboratory |
Southampton University(英国) | オープン・サイテイション |
| Harvard University、University of Missouri、Tufts University | Planck Institute for the History of Science(ドイツ) |
機械工学の歴史の電子図書館 |
| University of Massachusetts | King's College(英国) | オンライン音楽認識および検索 |
| University of Michigan | University of Leeds(英国) | 長期デジタル・アクセス/保存の 技術エミュレーション |
| University of Michigan、Cornell University | State Library of Lower Saxony、University Library of Gottingen(ドイツ) |
数学学術論文の分散電子図書館 |
| Michigan State University | Institut Fondemental d'Afrique Noire、West African Research Center(アフリカ) |
西アフリカ関連多言語電子図書館 |
| State University of New York - Buffalo | National Institute for Informatics(日本) University of Nantes(フランス) |
メタデータ・モデル、資源発見、多次元データベースの照会 |
| Simmons College | Tsinghua University)、Nat'l Taiwan Univ、Academia Sinica - Taiwan、Peking University、 Jiao-Tong University(中国) |
中国研究に関するグローバルな電子図書館 |
| University of Virginia | University of Trier(ドイツ) | 全文アーカイブ/中世ドイツ辞書の共同研究 |
| University of Wisconsin | Office for Library and Information Networking(英国) |
インターネット探索: ネットワーク環境情報検索のため新手法 |
1990年の初めにインターネットが、研究コミュニティの間で支配的なコミュニケーション・モードとして定着するに伴い、行政機関が市民に向けてよりよい情報アクセスやサービスを提供することが、しだいに重要性を帯びてくるようになった。科学分野の業績や技術革新が急速な進化を遂げるようになって、米国社会は、膨大な情報と知識源が渦巻く環境の中で生活や仕事をする世界への急速なパラダイム・シフトに備えるようになった。このパラダイム・シフトをきっかけに数多くの機会が生まれた半面、行政機関には一般市民に提供する情報サービスを根本的に改善するという課題に直面することになった。最初のインターネット・ブラウザと言われるMosaicが登場して何年は、連邦政府、州政府、地方政府が一体になって、わかりやすく迅速で、安全と正確さに優れた相互のやり取りを求める市民からの期待に応えようと努力を続けた。残念ながら、この目標は最初の段階から捉えにくい特性があった。このイニシアチブを実現するには、技術面と文化面での障害があった。政府機関は本来、変化への対応が遅いという特徴がある。教育機関や産業界とは異なり、あらゆるレベルの行政機関で、迅速な変化と改善を実行する上で必要な研究開発に向けて投資を敢行するための資源と専門知識が欠落していた。
産官学合同の研究開発活動で共通のリンクを作るという初めての試みとして、Federal World Wide Web (WWW) Consortium(連邦政府WWWコンソーシアム)が設置された。このコンソーシアムは、当初大学コミュニティ向け(主にMosaicの誕生したNational l Center for Supercomputing Applicationsで使用する)のWWWテクノロジーを開発するという具体的な目的をもって1994年に設置された。当時、このコンソーシアムは、きわめて厳しい予算で運営されていた。およそ10の連邦政府機関が予算をプールし、この資金を用いて、斬新で改良された情報サービスの実現に向けてWorld Wide Web上で独自のアプリケーションの迅速な開発を行った。この間、存続に向けて努力が続けられたコンソーシアムが成功を収めたことで、今日の電子政府プログラムの原型が形成された。
以降、数年間にわたって、コンソーシアムは電子政府プログラムに関する研究課題を形成する際にリーダーシップを発揮した結果、ITを通じて、政府や関連情報に対するアクセス方法に劇的な変化をもたらすための基礎が確立した。この研究課題を定義する資料の1つに、"Workshop on Research and Development Opportunities in Federal Information Services"が発行した1997年の報告書がある[DG2]。この報告書によって、以降の電子政府(DG)に関連するNSFプログラム・イニシアチブに向けた基礎が構築され、現在では一般市民に向けて数多くの行政機関がさまざまな情報サービスを提供している。
電子政府に関する数々の研究開発活動が、DLI-IやDLI-IIといった各プログラムとの共通部分を持っている一方、実行、配布、応用などの面では個々に違いがある。1997年の報告書では、21世紀の電子政府に向けた情報サービスに固有の特性が言及されている。これは、いわば電子政府研究イニシアチブのバックボーンに相当する部分であるため、その特性について以下に要約しておく。
こうした特殊なニーズに基づいて、同報告書では数々の提言を行っている。この多くが、後に電子政府研究イニシアチブで採用されている。このうち、本報告書で後述する事項について重要な提案を示唆しているものがある。
上記の試みは、1999年にNSFが行った各機関連携型の電子政府研究プロジェクトの発表という形で終結した[DG4]。このイニシアチブのもとで財政支援を受けたプロジェクトは、比較的最近のものであるが、技術面での利用範囲は多様で、しかも集中している。表2.4で、各研究分野(発表時点での対象分野)、およびDLI-IやDLI-IIなどの他のイニシアチブとの関係をまとめてある。
| テーマ | 説明 | 実例 |
| 知的情報の統合 |
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| 超大規模データ収集/管理 |
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| 大規模データ収集に向けた最新鋭の分析 |
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| 電子商取引に関する技術 |
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| 一般市民/顧客向け情報サービス |
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| 法律、規制、特定任務向けITアプリケーション |
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| 大規模な行政研究開発プロジェクト向け情報サービス |
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