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第3章 ハイエンドコンピューティング研究開発の動向

3.8 オンライン増減設

3.8.1 オンライン増減設の目的
SIONetにおけるエンティティ増減設の目的は、主に以下の二つに大別される。

3.8.2 増減設の形態
 SIONでは幾つかの増減設形態を提供しているが、ここでは、図19に示す代表的な形態について述べる。

(1) イベントプレースの合成と分離
 図19(a)に示すように、複数のイベントプレースを合成することができる。ここで合成とは、複数のイベントプレースにそれぞれ属するエンティティを、一つのイベントプレース内のメンバーとして集めることを言う。典型的な例として、異なるサービス運営者間の業務提携に基づく、サービス統合(情報共有)が考えられる。
 これは、イベントプレースに属する任意のエンティティ、もしくはイベントプレースに対して合成要求を行うことにより、合成要求先イベントプレース内のエンティティに対してシェアードリンクの確立要求が発行される。その結果、SI-SW間にシェアードリンクが確立され、両者の合成が実現される。なお、合成の要求元および要求先は、それぞれ、エンティティでもイベントプレースでもどちらであってもかまわない。一方、分割する場合には、確立されているシェアードリンクを解除し、それぞれのイベントプレースに分離する。
(2) イベントプレースへの参加と退去
 図19(b)に示すように、イベントプレース内のエンティティ、もしくは、イベントプレースに対してJoin要求を行うことにより、要求元エンティティにSI-SWが生成される。そして、要求先エンティティに対してシェアードリンクの確立要求が発行されることにより、SI-SW間にシェアードリンクが確立され、当該イベントプレースに参加することができる。
 エンティティがイベントプレースから退去する場合には、エンティティ間のシェアードリンクを解除し、さらに、シェアードリンクの再構築を行い、当該イベントプレースから退去する。このとき、退去したエンティティの状態は、サスペンド状態へと遷移する。
 なお、イベントプレース側からエンティティに対してシェアードリンクの確立を要求することにより、当該エンティティをイベントプレース内に取り込むことも可能である。これを吸収という。その逆を分裂という。吸収は、リコメンデーションサービスやプッシュ配信の実現に利用することができる。
(3) エンティティ(SI-SW)の増減設
 図19(c)に示すように、イベントプレース内のエンティティ、もしくは、イベントプレースに対して、エンティティの増設要求を行うと、指定されたエンティティにSI-SWが新たに生成され、既存のSI-SWとの間にシェアードリンクが確立される。一方、イベントプレースにエンティティの減設要求を行うと、指定されたエンティティに対しシェアードリンクの解除要求が発行され、SI-SW間のシェアードリンクが解除された後、シェアードリンクの再確立が行われ、当該エンティティが削除される。このとき、エンティティの状態は、Non-Existentに遷移する。これは、後述するサーバやハイブリッドモデルの実現に利用することができる。
(4) イベントプレース間のフェデレーション
 図19(d)に示すように、イベントプレース内のエンティティ、もしくは、イベントプレースに対して、フェデレーション(連携)要求を行うことにより、SI-GWが動的に生成され、セッションを介して両イベントプレースが連携する。なお、フェデレーションの要求元および要求先は、それぞれ、エンティティでもイベントプレースでもどちらであってもかまわない。
(5) コネクト
 エンティティに対して、シェアードリンクではなく、セッションを確立する。これは、クライアントサーバモデルにおけるクライアントの実現に有効である。


FIG19

3.9 エンティティのアドバタイズメント
 図20(a), (b)を用いて、エンティティのアドバタイズメント(公開)の目的と仕組み
を説明する。SIONetにおけるエンティティのアドバタイズメントには、以下の2つの観点がある。

 以下に、エンティティの公開、探索から、エンティティグループ形成までの流れを説明する。

@ 図20(a)に示すようにSIONetソフトウエアをホストにインストールする。この時点でのエンティティの状態は、“Non-Existent”である。
A SIONetソフトウエアを実行することにより、“Non-Existent”から“Suspend”状態に遷移する。この状態のエンティティは、SIONetからその存在がまだ認知されていない。[8]
B “Suspend”状態のエンティティは、SIONetの構成要素としてネットワークに参加するために、ベースイベントプレースに属しているエンティティ(エントリポイントとグローバルエンティティ名)を探索する。具体的には、ブロードキャストにより、ベースイベントプレースに参加しているエンティティの中から、近傍のエンティティを探索する。ブロードキャストの方法は、実装に依存する。例えば、無線ネットワークで実装されている場合には、無線の到達範囲すべてのエンティティが探索の対象となる。一方、IPネットワークで実装されている場合には、IPブロードキャストもしくはIPマルチキャストを行うことになる。図20(a)では、ブロードキャストによる探索により、エンティティ1(エンティティ1のエントリポイントとグローバルエンティティ名)が発見されたことを表している。なお、ブロードキャストにより、近傍のエンティティを発見できない場合には、Well-Knownのエンティティを利用することもできる。Well-Knownのエンティティをベースエンティティと呼ぶ。なお、ベースエンティティは、ベースイベントプレースを含むすべてのイベントプレース内に存在することができる。


図20a

C 発見されたエンティティ1に対して、ベースイベントプレースへのJoin要求を行う(厳密にはエンティティ1のエントリポイントに対して、グローバルエンティティ名をパラメータとしたJoin要求を行う)ことにより、当該エンティティ(説明の便宜上、以降、エンティティYと呼ぶ)とエンティティ1とのSI-SW間にシェアードリンクが確立される。[9]これにより、エンティティYは、ベースイベントプレース内のネットワーク構成要素として自己組織化される(図20(b))。このとき、エンティティYは、“Suspend”状態から“Active”状態へと遷移する。
ベースイベントプレースにJoinしたエンティティYは、エントランスの公開が可能になる。また、エンティティプロパティをアドバタイズすることもできる。エンティティプロパティには、グローバルエンティティ名(およびエントリポイント)、ニックネーム、グループ名、アライブ(存在だけの表明であり、シェアードリンクの確立先情報となるエントリポイントとグローバルエンティティ名は公開しない、非公開モードでも公開の対象)、ディスクリプション(エンティティの説明文)、属性などがある。属性には、プラグインされているSE情報、イベントパス多重度、登録済みのイベントタイプ情報、イベントプレース情報などがある。例えば、エンティティ3は、エンティティ3が同時に参加しているイベントプレースαをエンティティプロパティの属性として公開することができる。さらに、現在Joinしているイベントプレースばかりでなく、過去にJoinしたイベントプレース情報を公開することもできる。なお、エンティティプロパティの記述言語としては、XMLなどがある。
公開時には、これらのエンティティプロパティを、エンティティ内の意味情報スイッチにフィルタとして登録することにより、エンティティプロパティがシェアードリンクに基づいて他のエンティティに波及し、イベントパスが確立される。基本的には、イベントパスの確立要求がイベントプレース内のすべてのエンティティに対して波及するが、TTL値で、イベントパス確立要求の波及範囲を制限することができる。なお、グローバルエンティティ名はマルチホップ型ユニキャスト通信時の識別子として、グループ名はマルチホップ型マルチキャスト通信時の識別子として、属性はマルチホップ型属性付きマルチキャスト通信時の識別子として用いられる。例えば、マルチホップ型ユニキャスト通信の代表例として、イベント受信エンティティからイベント送信元エンティティへのリプライ通知がある。


図20b

D ベースイベントプレースに参加したエンティティYは、「自身が参加したいイベントプレース」を探索するためのディスカバリイベント[10]を送出することにより、「自身のニーズに合致するエンティティプロパティ」を公開しているエンティティを発見する。ここでは、その結果、エンティティ3が発見されたものとする。なお、エンティティ3は、同時にイベントプレースαに参加しているものとする。これにより、イベントプレースαの存在を知ることができる。
E エンティティ3に対してイベントプレースαへのJoin要求を発行することにより、エンティティYはイベントプレースαに参加することができる。なお、エンティティ3は、前述したように、自身の状態遷移が“Active”であり、かつ、公開モードのときに、Join要求(シェアードリンクの確立要求)を受け付ける。
F さらに、エンティティYが、イベントプレースαにおいて、同様の探索のためのイベントを送出することにより、自身のニーズに合致する新たなエンティティを発見することができる。例えば、ここでは、エンティティ12が発見されたものとする。これは、ベースイベントプレースにおいて発見することができなかったエンティティ12を、エンティティ3を介して発見できるということを意味している。このような操作を繰り返すことにより、自身のニーズに合致したイベントプレースに、次第にたどり着くことが可能になる。

  ここで示したアドバタイズメント方式は以下の効果を与える。

(1) エンティティの公開情報を管理するブローカ(管理部)が存在しないため、耐障害性に強い自己組織化ネットワークを低コストで構築することができる。また、膨大な数の公開情報(エントリポイントやエンティティプロパティ)をブローカで管理することは現実的でない。
(2) エンティティに取って相応しいイベントプレースを、芋づる式に絞り込むことができるので、効率的に所望のイベントプレースを探索することができる。例えば、連鎖反応の波及範囲(ディスカバリイベントのホップ数、および、エンティティプロパティのためのイベントパス設定要求の波及範囲)がTTL値で制限されたとしても、エンティティ3経由でエンティティ12を発見し、その結果、エンティティ12が同時に属している別のイベントプレース(例えば、イベントプレースβ)を発見することができる。なお、連鎖反応の波及範囲を制限することにより、ネットワークトラヒック(イベントの転送回数、イベントパス設定要求の転送回数)を軽減することができる。

  なお、自身は情報を提供することなく(例えば、エンティティプロパティを公開することなく)、他のエンティティからの情報提供を受けるだけのエンティティは、ペナルティーとして(貢献度に応じて)、強制的にシェアードリンクが解除され、一定条件を満足しないと再度、イベントプレースに参加できないことがある。この考え方は、様々なインセンティブ問題に応用することができる。

3.10 SEの共有方法(自動配信)
 以下に、ゲームイベントプレースにおけるSE(ゲームアプリケーションプログラム)の共有を例に、SEの共有方法の仕組みを示す(図21)。


図21

(1) ゲームイベントプレースの運営者であるエンティティ2(厳密には、エンティティ2の所有者)は、図5において説明した手順で、イベントプレースを生成する。なお、イベントプレース生成時に当該イベントプレース名として「ゲーム」と付与したものとする。
(2) ゲームイベントプレースの生成者であるエンティティ2は、生成時に当該イベントプレースに自動的に参加する。このとき、SI-SWが生成され、図10に示すように、当該SI-SWに対してグローバルエンティティ名「ゲーム+エンティティ2」が付与される。
(3) エンティティ2は、当該エンティティのコントロールパネルに対して、ゲームアプリケーションプログラム(SE)のプラグインを指示する。このとき、プラグインするアプリケーションの実行ファイル名、および、SE共有の有無をパラメータとして与える。
(4) コントロールパネルはこの旨をエンティティ制御部に通知する。
(5) エンティティ制御部は、プラグインする実行ファイル名を記憶するとともに、与えられた実行ファイル名を用いて、アプリケーションを起動し、図11に示すように、SI-SWとアプリケーション間にセッションを確立する。すなわち、SIONetにおけるプラグインとは、アプリケーションをSEとして仮想化し、SEとSI-SWとの間にセッションを確立することを意味する。
(6)

エンティティ2は、エンティティ2のエンティティプロパティをアドバタイズする。エンティティ2のエンティティプロパティの公開形態としては、以下のものが考えられる(エンティティのアドバタイズメントの章を参照)。

  • エンティティ2がベースイベントプレースに参加し、ベースイベントプレース内で、エンティティ2のエンティティプロパティを公開する。
  • エンティティ2が、芋づる式探索を行うことにより、ゲームイベントプレースと関係の深いイベントプレースを発見、参加し、当該イベントプレース内で、エンティティ2のエンティティプロパティを公開する。
  • エンティティ2をベースエンティティとする。すなわち、エンティティ2のエンティティプロパティ(エントリポイントとグローバルエンティティ名)を何らかの方法で周知する。
(7) エンティティ2の存在を知ったエンティティ1が、エンティティ2に対して、ゲームイベントプレースへの参加を要求する。
(8) この要求が承認されたとき、エンティティ1は、エンティティ2に対して、シェアードリンクの確立を要求する。そして、エンティティ1とエンティティ2の間にシェアードリンクが確立される(図14、図15参照)。
(9) シェアードリンクが確立されたとき、シェアードリンクの確立要求先(エンティティ2)は確立要求元(エンティティ1)に対して、様々な情報を返却する。具体的には、イベントプレース名(グローバルエンティティ名)、参加したイベントプレースがベースイベントプレースであるか否か、当該イベントプレースにおけるイベント転送方式(ルーティング方式)、イベントプレースのディスクリプション、プラグインされているSE情報(SE共有が有りの場合)、等の情報が返却される。
(10) SE共有においては、これらの返却される情報の内、SE情報を利用する。具体的には、(3)において、プラグインするアプリケーションの実行ファイル名をパラメータとして与えられたが、シェアードリンクの確立成功時に、当該ファイルをエンティティ1に対して配送する。なお、SEの実体がファイルであるか、SE共有時にファイルを転送するかは実装依存であり、SEはこれらの実装を仮想化するための抽象的な概念であることに注意を要する。
(11) 当該ファイルを受信したエンティティ1(エンティティ1のエンティティ制御部)は、(5)の処理を行うことにより、エンティティ1内部に、ゲームアプリケーションプログラムをSEとしてプラグインする。
(12) すなわち、イベントプレースへの参加とは、シェアードリンクにより結合されたエンティティグループを形成し、プラグイン済みのアプリケーションプログラムを参加者が共有することを意味する。これにより、イベントプレースに参加するだけで、当該イベントプレース内のメンバーであるエンティティが、プラグインされているアプリケーションを、自動的に利用することが可能になる。なお、エンティティ1がゲームイベントプレースから退去するとき、プラグインされたゲームアプリケーションプログラムは、プラグアウトされる。なおその際、エンティティ1は、受信した当該ファイルを保有しつづけることもできるし、プラグアウト時に、当該ファイルが削除されることもある。

 上述した仕組みは、ピュア型のP2Pネットワーク環境でのアプリケーション共有である。そのため、アプリケーションプログラムの配信は、シェアードリンク確立先エンティティと確立元エンティティの2者間でのみ行われるため、シェアードリンクにより既に結合されている他のエンティティに対して影響を与えない。すなわち、ファイル転送のため処理は2者間に局所化されるため、スケーラブルなSE共有を達成することができる。

4. ビジネスモデル
(1) クライアントサーバモデル
予め決められたエンティティのみでイベントプレースを運営する形態である。すなわち、予め決められたエンティティのみが当該イベントプレースに参加(Join)することが可能であり、参加を許されたエンティティは、エンティティ間のシェアードリンクを確立することにより、エンティティグループを構成する。一方、それ以外のエンティティは当該エンティティグループに対してセッションを確立し、当該セッションを介したイベントの送受信を行う。すなわち、イベントプレース(エンティティグループ)がサーバであり、その以外のエンティティがクライアントに相当する。このビジネスモデルでは、エンティティグループのメンバーである各エンティティは、自律分散コンピュータとして振舞い、任意のエンティティが障害に陥った際には、残されたエンティティが自己組織化しイベントプレース(サーバ)の運営を継続する。また、サーバの処理能力向上を図りたい場合には、新たなエンティティを当該イベントプレースに参加させれば良い。そのため、従来のサーバ実現方式と比べて、耐故障性に強く、安価で、スケーラブルなサーバを実現することができる。
(2) ハイブリッドモデル
 例えば、ゲームイベントプレースの運営者となるエンティティは、ゲームイベントプレースを生成し、当該イベントプレース内でのベースエンティティとなる。一方、ゲームイベントプレースのユーザとして位置付けられるエンティティは、当該イベントプレースに参加することにより、当該イベントプレースでのサービスを享受する。従来のクライアントサーバモデルでは、ユーザ数の増加に比例して新たな設備投資(CPUパワー、ストレージ、通信帯域など)が必要とされたが、本ビジネスモデルは、ユーザがイベントプレースに参加することにより、ユーザ自身のエンティティをサービス運営のために提供するため、イベントプレース運営者は新たな設備投資を必要としない。そのため、安価で、スケーラブルなP2Pサ-ビス環境を構築できる。なお、ベースエンティティにおいて、当該イベントプレースに参加するユーザ(エンティティ)の認証、課金が可能である。また、ベースエンティティは、ディスカバリイベントを送出することにより、エンティティグループの中から、シェアードリンクの確立が可能なエンティティ(代替エンティティ)を発見し、発見されたエンティティを参加希望のエンティティに対し通知し、両者の間でシェアードリンクを確立させることも可能である。そのため、営利目的のビジネスに直結しやすいが、特定の役割を担ったベースエンティティは、当該イベントプレースから退去することができない。
(3) ピュアモデル
 すべてのエンティティが自由にイベントプレースに対して参加(退去)することが可能なビジネスモデルである。地域コミュニティなどのボランティアネットワークとの親和性が高い。このモデルでのエンティティのライフタイムは比較的短いことを前提とする必要がある。
 上述したように、SIONetでは、運営・配置問題に帰着することにより、様々なビジネスモデルを共通の仕組みで実現できる。そのため、開発工数、ソフトウエア規模、デバッグ効率、維持管理の容易性等に大きな効果を与える。

 

 

参考文献/SIONetの文献(1997-2002)
[1] 星合隆成、久保田稔: "インターネットの新潮流−非ブローカ型探索モデルと自律分散技術", 電学誌, 121巻, 3号, pp.178-184(2000.12受付、2001.3掲載).
[2] 星合隆成: "招待講演: インターネットの新潮流「非ブローカモデル」とその実現技術「SION: 意味情報ネットワーク」", SSE2000-235&IN2000-191, pp.65-72(2000.12受付, 2001.3掲載).
[3] 星合隆成, 柴田弘: "御用聞き型情報提案のための自律分散照合環境アーキテクチャとその性能評価", 電子情報通信学会論文誌(D-I), Vol.J83-D-I, No.9, pp.1001-1012 (1999.10受付、2000-09掲載).
[4] 星合隆成、小柳恵一、ビルゲー・スクバタール、久保田稔、柴田弘、酒井隆道: "意味情報ネットワークアーキテクチャ", 電子情報通信学会論文誌B, Vol.J84-B, No.3, pp.411-424 (2000.7受付, 2001-3掲載).
[5] 星合隆成、柴田弘、酒井隆道、小柳恵一: "意味情報ネットワークアーキテクチャ: SIONアーキテクチャ", NTT R&D, Vol.50, No.3, pp.157-164(2000.12受付、2001.3掲載).
[6] 星合隆成、柴田弘:"御用聞き社会構築に向けてのコンテンツ情報流通網と自律分散照合環境アーキテクチャ", 信学技報SSE99-189, pp.55-62(1999.12受付、2000-3掲載).
[7] 星合隆成、山本和史、柴田弘: "PREFERENCEを用いたマルチメディアサービスの構築", 信学技報 SSE98-113, pp.31-40(1998-10掲載).
[8] 星合隆成、柴田弘:"最適コンテンツ抽出のためのエージェント技術に関する一考察", 信学秋季全大, B-7-7 (1999-9掲載).
[9] 星合隆成、山本和史、柴田弘: "パーソナライズ情報提案型コンテンツ配送コンポーネント: PREFERENCE",電子情報通信学会論文誌(D-I), Vol.J83-D-I , No.2, pp.306-312 (1999.4受付、2000-2掲載).
[10] 未来ねっと研究所ホームページ
http://www.onlab.ntt.co.jp
http://www.onlab.ntt.co.jp/jp/ni/preference/index.html
[11] NTTニュースレター http://www.ntt.co.jp
[12] PREFERENCEホームページ
http://ns0.t.onlab.ntt.co.jp/an/preference
[13] 星合隆成, "Jnutellaワークショップ招待講演", 2001.5.22
http://www.jnutella.org/jnudev/jws-052201_2.shtml
[14] 星合隆成:"意味情報ネットワークSIONetの試み", Software Design誌, 2001年8月号, pp.144-pp.146, 技術評論社.
[15] 日経インターネットテクノロジ,"NTTが分散ディレクトリを製品化", 2001.6月号.
[16] 日経コミュニケーションズ,"NTT研究所の新P2P技術", 2001.5.21.
[17] 日経エレクトロニクス, "P2P接続環境でNTTが開発", 2001.5.21.
[18] 日本経済新聞,"ネット端末間で直接交換、NTTが技術開発", 2001年4月28日発刊.
[19] 日刊工業新聞,"NTT開発のSIONet次世代ネット向けに脚光", 2001年5月10日発刊.
[20] 日経産業新聞,"サーバを介さず情報交換、NTTが新技術", 2001年5月1日発刊.
[21] 日本工業新聞,"NTTがピアツーピアで新技術", 2001年5月1日発刊.
[22] 科学新聞,"P2Pの新技術SIONet", 2001年5月31日発刊.
[23] 朝日新聞夕刊, 2001年7月27日発刊.
[24] 星合隆成,:"意味情報ネットワーク:SIONetの紹介", 電子情報通信学会CQ研究会, CQ2001-52, pp.45-pp.55(2001-09掲載)
[25] 日経システムプロバイダ2001.6.8
[26] 日経Webカンパニー2001.7
[27] 日経バイト2001.8
[28] 日経エレクトロニクス2001.7-10
[29] 星合隆成:"意味情報ネットワークSIONetにおけるエンティティのオンライン増減設機構", 信学論B, Vol. J85-B, No.2, pp.180-199(2001.5.2受付、2002.2掲載).
[30] 星合隆成:"意味情報ネットワーク:SIONetの全貌", 「Peer-to-Peerの動向と提案」講演会テキスト, 電子情報通信学会東京支部(2001-10掲載).
[31] Takashige Hoshiai:"Semantic Information-Oriented Network", IEICE(掲載予定)
[32] 星合隆成, パトリック ツィナニー, 佐藤規男:"要求応答型ストリームインタフェースの提案とその実装方式",電子情報通信学会論文誌(D-I), Vol. J82-D-I, No.8, pp.1080-1092, (1999-8).
[33] Takashige Hoshiai, Patric Tsinany, Norio Sato:"Proposal of Stream Interface Based on Request-Response Model and Its Implementation", Electronics and Communications in Japan, Vol.31, No.8, pp.10-21, (2000-07).
[34] 星合隆成"意味情報ネットワークSIONetの全貌", 「P2P技術の事例と今後の展開」情報処理学会関西支部主催講演会テキスト, 情報処理学会関西支部主催講演会(2001.10.17掲載).
[35] 星合隆成:"P2Pの理念およびその実現技術:SIONetの全貌", IECP研究会講演テキスト, 国際大学IECP研究会主催講演会2001.11.29. http://www.glocom.ac.jp/top/topic/
[36] P2Pビジネスモデル戦略,バガボンド, 2001-12
[37] 日経ネットナビ, No. 68, pp.22, 2002-1.
[38] 星合隆成:"P2Pネットワーキング技術とブロードバンド", NTT-AT技術セミナーテキスト, 2001.12.14
[39] 「NTT R&Dフォーラム2001 in 厚木」レポート, IMPRESS, 2001-10.
http://www.watch.impress.co.jp/
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1015/nttrd.htm
[40] 星合隆成:"P2Pネットワーキング技術とその応用および今後の動向", 日本テクノセンターセミナーテキスト, 2002-01.
[41] 星合隆成:"P2Pの理念とその動向", 情報処理開発協会ハイエンドコンピューティング技術調査ワーキンググループ主催セミナーテキスト(HECC), 2002-01.
[42] 星合隆成"特別講演:ブローカレス型探索モデル(P2Pモデル)と意味情報ネットワークSIONet", 信学技報, CQ2001-91, MVE2001-124, pp.55-pp.62, 2002.2.7
[43] 小柳恵一、星合隆成、梅田英和:"招待論文:P2Pネットワーキング技術の提案と紹介", 信学論B, pp.319-pp.332(2001.12受付、2002-03掲載)
[44] 星合隆成:"P2Pの理念、SIONetの全貌およびデモンストレーション", 第2回Jnutella Workshop講演テキスト(2002.4.11).
[45] 第1回 Jnutella Developers Workshop招待講演, 2001.5
[46] 電子情報通信学会SSE&IN研究会招待講演, 2001.3
[47] 電子情報通信学会東京支部主催セミナー講演, 2001.10
[48] 情報処理学会関西支部セミナー講演, 2001.10
[49] 電子情報通信学会北海道支部主催セミナー講演
[50] 日本テクノセンター主催セミナー講演, 2002.1
[51] NTT-AT社主宰技術セミナー講演, 2001.12
[52] 電子情報通信学会CQ研究会特別講演, 2002.2
[53] GLOCOM-IECP講演会招待講演, 2001.11
[54] P2P研究会招待講演, 2001.5

 

 

 


[8] "Suspend"状態のエンティティは、エントランスやエンティティプロパティを公開することができない。"Suspend"状態のエンティティは、任意のイベントプレースにJoinすることにより、"Active"状態に遷移する。"Active"状態のエンティティのみが、エントランスやエンティティプロパティを公開することが可能である。なお、ベースイベントプレースにJoinしているエンティティのみがエントランスの公開が可能である。
「コントロールパネルにより公開が指示されている」かつ「当該エンティティに対するセッション(シェアードリンク)の確立数がデフォルト値を越えていない」を満足するとき、エンティティは、エントランスやエンティティプロパティを実際に公開する。例えば、エンティティの所有者がコントロールパネルを用いて公開を指示しても、デフォルト値を超えてシェアードリンクが確立されている場合には、自動的に非公開モードとなる。なお、デフォルト値は、コントロールパネルで設定可能であり、例えば、エンティティの処理能力に応じて決定することができる
エンティティYからのJoin要求を受信したエンティティ1は、自身の状態遷移が“Active"であり、かつ、公開モードのときに、Join要求(シェアードリンクの確立要求)を受け付ける。なお、エンティティYは、最大同時Join数を越えて、Join要求を発行することはできない。最大同時Join数は、コントロールパネルで設定可能である。
[10] ディスカバリイベントは、SIONetの制御のために用いられるイベントであり、SEが送出するイベントと基本的には何も違わない。すなわち、NEを発火させるためのイベントであり、イベントの意味情報部には、エンティティプロパティとの照合条件が設定される。すなわち、SIONetにおける新たな機能追加とは、新たな語彙概念と語彙を規定することを意味する(仕組みの追加ではなく、連鎖反応条件の追加)。これにより、単一な仕組み(連鎖反応)だけで、様々な機能追加を可能にしている。

 

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