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第3章 ハイエンドコンピューティング研究開発の動向

第3章 ハイエンドコンピューティング研究開発の動向

3.1 概要

 本章では、各委員および外部講師による、ハイエンドコンピューティングに関する研究開発動向の調査報告をまとめている。

3.1.1 調査方針

 各委員の専門およびその周辺分野において、今後、研究的に急速に発展したり、あるいは市場にインパクトを与えそうな分野やテーマの抽出と、それらの技術に関する、(米国をはじめとする)先端研究とわが国との格差の調査・評価を行うことを主眼にした。したがって、今後重要になると思われる領域にはどのようなものがあるかを抽出するという点に力点を置くことにした。また、調査範囲は多岐にわたっており、当ワーキンググループ委員の専門分野で網羅できない部分は外部講師に依頼した。

3.1.2 調査報告の分類

 従来の半導体技術の延長による高速化は限界に達することが示され、これからの計算機の高性能化の方向として、様々なレベルの並列分散コンピューティングが研究の中心になると考えられている。本報告書の調査内容は、地球シミュレータのベクトル並列、Gridの広域分散、クラスタをGrid/P2Pで統合するメガスケールの並列分散など多岐にわたり、各報告を従来の並列か分散かで分類することは適切でない。今年度は、平成12年度「わが国が行う情報技術研究開発のあり方に関する調査研究(その4)[1]」を参考にし、「アーキテクチャ&新計算モデル」、「基本ソフト&ミドルウェア」、「応用システム&応用分野」の3階層で分類を行った。
 なお、今年度は次の2名の外部講師に調査報告をまとめていただいた。

(1) 産業技術総合研究所 ハイエンド情報技術グループ
田中 良夫氏
「SC2001にみるGridの最新動向」
(2) NTT 未来ねっと研究所
星合 隆成氏
「P2Pの理念および実現技術:SIONetの全貌」

 


[1]http://www.icot.or.jp/FTS/REPORTS/H11-reports/H1203-AITEC-Report2/AITEC0003-R2-html/AITEC0003R2-ch2-1.htm#1.3

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