インドは、情報技術産業を強化し、10年のうちにインドを世界最大のソフトウェア生産国/輸出国とするための政策を展開している。まず、1998年5月、「情報技術・ソフトウェア開発タスクフォース」(National Task Force on Information Technology & Software Development)を設置し、国家情報政策の立案に着手した。その検討内容はWeb上に公開されており、しかも、インド内外の専門家からの助言を得ながら作業を進めるという開かれた政策立案過程をとっている。
7.1 情報技術・ソフトウェア開発タスクフォース
最初の作業として、議長はWeb上で内外の専門家に次のような課題に関する提案を求めた。
1998年7月に、タスクフォースは、「情報技術アクションプラン」(Information Technology Action Plan)を発表した。その中で、下記の3つの基本目標が掲げられている。 情報インフラの加速 ITEX-50目標 2008年にすべての人に利用できるIT 計画の中には、これら3つの目標に関して、108の具体的な提言が含まれている。
7.2 情報技術アクションプラン
世界第一級の情報インフラストラクチャの構築を加速する。光ファイバ、衛星通信、ワイヤレス通信により、地域情報インフラ(LII)、NII、GIIをシームレスに相互接続し、全国規模の高速インターネット、エクストラネット、イントラネットを保証する。
2008年までに、ITソフトウェアとITサービスの輸出額を500億ドルにする。
PC/セットトップボックスの普及率を1998年現在の500人に1台から2008年までに、50人に1台に引き上げる。60万個所の電話局を多様なマルチメディアサービスを提供する電話情報センターに変革する。さらに、IT普及促進のための、政府のネットワーク化、テレバンク、遠隔医療、遠隔教育、電子図書館、電子商取引等の施策を展開していく。
前掲の7月に発表された情報技術アクションプランは、おもにソフトウェア及び関連サービスを対象としたものであったが、10月に発表されたパートIIではハードウェアに焦点を充てている。 SBIT(Soft Bonded IT Unit) の導入 SBITゾーンの整備
7.3 情報技術アクションプラン(パートII)
製造施設を無料、無担保で利用できる企業。免税等の特典があり、輸出が奨励されている。
複数のSBITが共用するインフラ・施設。
1999年4月に発表予定のパートIIIでは長期情報技術政策に関して下記が示されている。
7.4 情報技術アクションプラン(パートIII)
情報技術・ソフトウェア開発タスクフォースは、情報技術アクションプランパート1の実施状況をヒアリング等によりレビューし、2000年3月にその進捗状況を発表した。それによると、108のアクションプランの内、実施済56、未実施27、実施中22、未採用3という状況であった。
7.5 進捗状況