これまでの調査を通じ、日本と米国の研究開発の仕組みはかなり大きな違いがあることが解ってきた。特に、国が負担する研究開発費用の費目・内容に大きな違いがあること、また会計制 本調査は、次の2点を実施した。
なお、「成果物納入において請負者に認められる権利」に関しては、1999年3月の当研究所の資料「米国の政府支援研究開発プロジェクトにおける知的財産権の取り扱いの変遷の歴史とその背景」において詳しく調査されており、本報告書ではその要点を記するにとどめた。 本調査によって、米国の政府支援研究開発においては、その委託企業が算入できる費目の範囲が広範にわたり、事実上企業活動において発生するほぼ全ての費用を、合理的な配賦の理由がある限り、直接間接に政府契約に賦課できる事が判明した。このような費用算入を可能にする仕組みの背後には、連邦政府の費用会計制度(Cost Accounting Principles)が、民間の会計基準であるGAAP/FASBをほぼ全面的に取り入れ、費用会計のプラットフォームを民間と政府が共有していることにある。 さらに、現在進行中の行政改革(1993年政府業績結果法を中核とするクリントン政権の政府業績評価タスクフォース)の下では、委託先企業、調達担当官双方の立場から、「調達」規則や省庁の内部細則を鵜呑みにせずに、実情に合わせた合理的運用(契約請負者が事前申請した会計原則からの逸脱、費目間の資金トランスファー、規則細則の柔軟な運用等)が可能であること |