釧路市(1) Kushiro C.(1)

阿寒自転車道 は道々284号を横断し,昨年最後に通った道に入る. 雨は相変わらずの土砂降り. 取り敢えず に向かう.

駅に着いたのが午後 5時頃. 早いには早いが,雨がひどくてこれ以上走る気にはならなかった. まだ 4日しか走ってないが,下着は 6日分しか持ってきてないので, 時間もあることだし,と洗濯をすることにした. 駅の観光案内所のおばちゃんにコインランドリーの場所を聞くと, 駅裏に 2軒あるという. 地下道を押して渡って,しばらく行くとランドリー発見. 中には一人のチャリダーがいた. 挨拶を交わしたが,無口そうな奴だったのでそのままに俺も黙って, 洗剤を買って,洗濯機にそれと洗濯物をぶち込んで, あとは備え付けのマンガを読んでいた. 彼が洗濯物を乾燥機に移す時,
「銭湯って,この辺に有りますか?」
と聞くと,
「すぐそこにあるみたいですよ.歩いて行ける距離に」
「そーすか」
「これから行く所です」
「じゃぁ,また会うでしょう」
とかそんな会話をして彼は風呂に行ってしまった. 俺はまだ雨に当たれるほど気分を回復していなかったのと, タオル類も全部洗濯中だったので,乾燥が終わるまでランドリーに居た.

洗濯が全て完了して銭湯に行くと,さっきの彼が丁度出る所だった.
「どーも.近かったですね.すぐ分かりましたよ」
「そうですか.それじゃ」
「それじゃ」
あっさりした奴だった.

銭湯は改築したばかりのような新しいところで,余り落ち着く所ではなかった.
「やっぱ銭湯って多少くたびれた感じのする所がいいよね」
と,また誰にともなく独り言をいう. 湯から上がると地元のヤンキーが,ゴザの上の汚れが血だとかそんなことを 大声で話していたので湯上がりのカツゲンもさっさと飲んで出てきた.

再び駅に戻る. 駅構内の mister dounuts でコーヒー一杯を頼み, おかわりを数杯飲んで暗くなるのを待った.

午後 7時ぐらいに今宵のキャンプサイトを探しに街を徘徊しはじめる. 例年ならテント村になる公園も,さすがにこんな雨の日は一張りも無い. 学校の軒下と思って探すと小学校があるにはあったが, なぜか電気がまだ付いていてたくさん人がいたので却下. 他にゲリキャン出来そうな場所を探すが, 余り適切な場所が無くて,途方に暮れて駅に戻る.

ここで北海道通,あるいは釧路通の人は,
「釧路だったら ツーリングトレイン があるじゃん」
と思われるかもしれない. かく言う小生もそれを知っていて, 事前に阿寒町で会ったチャリダーに聞いてみたのだが, 彼によると釧路駅のツーリングトレインは午後 3時には満員になってしまうそうだ. ましてやこの天気である. 誰もがまずツートレを考えるだろう.

そんなこんなで夕飯は外食で済ませ,他にも途方に暮れているチャリダーはいないか キョロキョロしていると,いかにもそういう人がいた. 聞いてみると,まさに途方に暮れている所だという. しかし仲間と一緒に駅前の軒下でで駅寝するだろうということだ. 俺は駅寝は余り好きな方ではないので(好きも嫌いもないのだろうが), 一応ツートレを当たってみることにした. 案の定満員である. しかし車両の前には広大な屋根付き駐輪場があるではないか!
「フッ,決まった」
一瞬にして今日の寝床が決定する. 少しサグリを入れるとツートレ担当の駅員は午後 10時頃にはいなくなる, それ以後見回りはほとんど来ない,来ても寝てしまえばこっちのモンだという 事が分かった.(後日記) 自転車を運び入れマットとシュラフを端の方に広げる. 火気厳禁なのでコーヒーは作らず,ウィスキーを少しあおって寝る.


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