筑紫恋キャンプ場(1) Chikushikoi CA(1)

筑紫恋キャンプ場への道は平坦だが,ほんとにこっちでいいの?と不安になるぐらいキャンプ場らしくない方向へ案内が出ていた.まだ十分明るかったのでとにかく進んでみると,監獄よろしく茶色の壁に囲まれたキャンプ場が見えた.キセルキャンパー防止のためかも知れないが,あまりキャンプ場っぽくない.

料金を支払うと,今日は空いているので何処に張ってもいい,と言われた.ということは普段は場所を指定されるということか?

中にはバンガローが数十棟と,炊事場が何個かと,少し高くなって固い砂が敷いてある「土俵」のようなものがあって,その土俵の上にテントを張るらしい.土俵は1つ8畳ぐらいの広さで全部で20個ぐらいしかなかった.

小生がテントを張っているときに虹がかかったが,慌てて撮った写真には写っていなかった.ちゃんとファインダーには見えてたのになぁ.

さらにこのキャンプ場は,荷物の積み下ろしのためとはいえ車両の乗り入れが許されているのである.これはあまり好ましくない.こちらが寝ようとしているときにキャンプ場に入ってくるパジェロもいる.うるさくてかなわない.また車両が頻繁に出入りするせいで土俵の周りの通路に轍ができて,土俵から染み出した水がその轍に溜まって,サンダルをはく人々にとって不愉快なことになる.

まぁキャンプ場の悪い点ばかり言ってはナンなので誉めてもおくが,トイレ・炊事場はとてもきれい.我がワンダーサイクリング同好会が誇る「キャンプ場のトイレ評論家」の山口氏(仮名)でも☆☆☆☆☆を献上するだろう.また,ゴミ捨て場もきちんと管理されていて,カラスやキツネに散らかされることは無さそうだ.

そういえば夜7時頃,斜向かいのキャンパーがテントにキツネが入ったとかで大騒ぎしていた.キツネが食料に手を付けるともう使えないので,彼らも必死だったようだが,小生は冷笑を浮かべて熱いコーヒーを飲んでいた.テントの入り口ぐらい閉めておけ.

ところで小生の隣にテントを構えているのは粋なチャリダーである.炊事場での話.
そいつ 「何日目ですか」
よしだ 「そーですねぇ,まだ五日目ぐらいです.あなたは?」
そいつ 「えーと,6・・・」
ここで小生は「じゃ同じぐらいですね」と言おうとしたところ,
そいつ 6じゅうにちめぐらいですか.もう分からないです」
うひゃーなんだこいつ!
よしだ 「(どもりつつ)な,な,なんでですか?」
そいつ 「今,日本一周中なんですよ.もうあと東京に帰るだけです」

どーやら東京の自宅から時計周りに回ってここまで来たらしい.いろいろお話を伺ったが,通じて寡黙で控えめな人だった.すごいやつもいるもんだ.そいつはチャリダーらしく7時には寝てしまったようだが,反対側のキャンパーは10時を過ぎてもラジカセを鳴らしていたので,どっかのオヤジに怒鳴られてラジカセが止まるまで小生は寝付けなかった.


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