阿寒町 Akan T.

阿寒湖畔温泉街から東へ 5km 程行った所で, R241 と R240 は再び二本の道路になる. 右折し R240 に乗り,阿寒川に沿って南へ.
だだっぴろい草原と牧場の間を走ってゆく.
聞こえはいいが,雨は容赦なく降り注ぎ,ダンプの群れが自転車の脇を すり抜け,世辞にも良い走りではなかった.

ある バス停 で休憩を取る.一服していると キツネ がバス停の中を覗くので, おどかして追い払ったりしていると, 鹿のツガイが出てきた.これは珍しいとカメラを出そうとしたら, またトラックが来て逃げてしまった.

しばらく休んでも雨は一向に止むどころか弱くなる気配さえ見せない. もう今日は移動日だと割り切って,再び自転車に跨る.

阿寒町の市街地に入り,スーパーに入って昼食を買って,雨が降っているもんだから そこから動きたくなくて,スーパーの前のベンチで腹に押しこむ.
気付くともう一台自転車が止まっていて, しばらくするとその持ち主がスーパーから出てきた. 関西方面から来たチャリダーで,結構走りこんでいる自転車だったと記憶. 自転車の荷積み実験の最中で,「前後のどちらに多く荷を積んだ方が楽か」という テーマで体を張ってデータを取っているらしい.

自転車に荷を付ける時,長期ツーリングに限って言えば,
(1)重心は下に
(2)重いものは後ろより前に
(3)自分の体には出来るだけ何も付けず
という小生の経験則によるスタイルがある.

彼はその時「後ろに積む」とどうか,という実験をしている最中だったが, それは間違いなく無駄な実験だった.
人間の体重の七割が後輪にかかっている上に, 荷物までをリヤキャリアにくくってしまっては, 後輪のシャフトにかかる力が大きくなってしまい, 自転車にとって良くない.
さらに後輪の接地面積が増え,路面との摩擦によるエネルギーロスも大きくなる. 人間にとっても良くない.
そんな話をしても彼はその疲労を楽しんでいるかのごとく, 良くしゃべってニコニコ笑っていたが…….

彼はまくしたてるように話をして,俺が来た方向へ, つまり阿寒湖に向けて走り去っていった. この時になっても雨は相変わらずである. ここで R240 から外れて, 阿寒自転車道 に入る.
ここを走り抜ければ釧路である.


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