8月29日(土) Spa

分れ道にきた時点で、判断材料は、キャンプ場で得た左側という情報のみ。当然 左にいった。しばらくは、車が1車線ずつある道路だったけど、 だんだん道が狭 くなってきて、その辺の路地のようになってきた。まずい、また間違えちゃった のか?

やみくもに歩いても時間を浪費してしまうので、そこを歩いていたおばあさんに 道を聞いてみた。最初に、英語で話しかけたら、まるで「私は、外人をみるのは 始めてぢゃよ」というような驚きの表情をされてしまった。英語は通じないよう なので、つたないフランス語に切り替える。

「駅はどこ?」
すると、おばあさんは、
「し、しらんね。わたしゃ。」(推測)
という感じの答えをされてしまった。やはり、おばあさんに話しかけたのが失敗 だった。 やっぱり、 若い人にきかなきゃだめだよなっつーことで、今度は若い ねーちゃんに聞いてみた。しかし、この人も英語が話せない。やっぱり、田舎は つらい。もう一度、フランス語で聞いてみる。
「駅はどこ??」
今度は通じたらしい。おねーちゃんは、 笑いながら、 あっちよあっちと指を差 す。 フランス語できいたはいいけど、 フランス語で答えられても解らないのだ (おまぬー)。とりあえず、指さした方向に行けば何かあるだろうということで、 そっちに歩いてみた。

その辺りの雰囲気は、全くの住宅街。 でも、 おねーちゃんの笑った理由が解っ た。1箇所だけ変なところが有る。家が並んでいるその中に、客車が1台止まって るじゃないですか。 まるで、 公園に止めてあるような感じ。道を聞いたほんの 10mぐらい先に列車が止まってるじゃん。

「あ、電車、電車!!」
見つけた瞬間、ダッシュでその列車の方に駆けていった。ボロいバス停のような 待合室(室とはいいがたいな、屋根のついたコンクリートの壁だ)、そして、ちっ ちゃなGERONSTEREと書いた看板が1コあるだけ。なぜかSpa駅ではないようだ。単 線で車止めがわりの板っきれが申し訳程度についてて、まるで停車場というかん じ、駅とは言い難い。当然無人駅だ。そこに止まっていた列車は2両。 しかし、 ……。
機関車が付いていない…。
やられたー。折角列車を見つけたのに、ここってただ止めてあるだけの場所なの かぁ。途方に暮れていると、助け船があらわれた。それは、列車の中にいたおっ さんだ。

客車の中に、おっさんが新聞を読みながら座っている。そのおっさんが、こっち にこいと窓の中から手招きしている。ドアを開けて入ってみると、なんとそのお っさんは、車掌だった。おっさんの話によると、あと15分ぐらいで出るから、こ れにのりなさいといっていた。ほっと一息、これで帰れる。新聞なんか読んでる なよー。

結局、あとで推測してみると、このGERONSTEREというのは、

VERVIER ================== SPA ==== GERONSTERE
SPA の1個先の車両置場みたいなところで、ここで列車は30分か1時間止まってい るわけだ。1時間に列車は1本ぐらいしかないから。それから、この2 両の列車に は、 ちゃんとパンタグラフが付いているので機関車がなくても無事走るのでし た。

この列車は、8時40分すぎに出発の終電だった。でも、旅行にきて終電に乗ると は思わなかったぞ。


8月29日(土) 列車
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