Prolog版は,システム核部分がコンパクト(A4 1ページ)であるので ユーザが容易に全貌を理解することができ, 手を入れやすいという特徴がある. モデル候補やモデル拡張候補の格納は, 全てPrologのassert, retract機能を使っているため, 今後Prologの内部データベースへの参照・更新速度が向上すれば (例えば,インデックスアルゴリズムの改良により), さらに推論速度が向上することが期待できる.
また,前向き及び後向き包摂検査,ソーティング及び削除戦略の組込み, 連言照合順の切替え,を指定することができる.
KL1版は,PIMの能力を最大限に引き出すことを目指している. モデル候補及びモデル拡張候補の保持の違いにより, モデル共有型とモデル分散型の二つのタイプがある. モデル共有型では,モデル候補とモデル拡張候補の全体を各プロセッサが 保持している. 一方モデル分散型では,モデル候補とモデル拡張候補は, 全プロセッサに分散して保持されており, 各プロセッサは,その一部を保持しているのに過ぎない.
モデル共有型では,包摂検査時の通信コストを低く抑えられ, 結果として高い(計算)台数効果得ることができる. 一方,モデル分散型では,包摂検査時の通信コストは高くなるものの, メモリ・スケーラビリティ(領域台数効果)を得ることができる.
いずれも,前向き包摂検査を内蔵しており,削除戦略を組込むことができる.
比較的難しい数学的問題やそのほかの実際的問題でも、 かなり多くのものがホーン問題である。 本編の例題は、後の章で演習問題として与えるにとどめておく。