一階述語論理

命題論理では、アトムは真理値をとる命題変数と呼ばれた。 一階述語論理では、アトムはそれ自身は真理値をもつが、 その真理値はいくつかのパラメタ(引数)に依存する。 引数として定数以外に変数、関数(項)という要素が加わってくる。

次の節集合を考えてみよう。

(C1")... true → p(a);r.
(C2')... p(X) → q(X).
(C3')... q(b) → false.
(C4) ... r → false.

(C1")から得られるモデル候補は

M1 = {p(a)}, M2 = {r}

である。 モデル候補 M2 の方は、(C4)により矛盾が出てモデルが得られない。 モデル候補 M1 の方では、 (C2')で X を a とおけば、

(C2") .... p(a) → q(a)

が節集合に含まれていると考えられるので

M1' = {p(a), q(a)}

のように変更(拡張)する。 ここで、qについては(C3')という負節があるが、 引数を見ると、 M1' の q(a) に対し、(C3') の前件部では q(b) になっており一致しない。 したがって、(C3')が用いられることはなく矛盾が導出されないので、 M1' は晴れてモデルということになる。 すなわち、モデル {p(a),q(a)} が得られた。

(C3')を

(C3").... q(a) → false

で置き換えれば、M1' もモデルたりえなくなり、 節集合(C1"),(C2'),(C3"),(C4)は充足不能ということになる。



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