参考資料2.ICOTジャーナルNo.8


主に2つの特別講演の内容が収録されています。

【項目】

  1. 昭和59年度事業の実施状況報告
  2. フォーカス・スナップ
  3. 【特集】第5世代コンピュータに関するシンポジウム
    〔特別講演〕
    1. 先端的コンピュータの技術動行
    2. 先端的コンピュータの適用分野・波及効果
  4. ICOTだより
  5. ICOT研究論文・研究速報一覧

【概要】

「1.昭和59年度事業の実施状況報告」では、 昭和60年5月27日に開催された第15回理事会で、審議、承認された昭和59年度事業報告(案)および決算(案)のうち、以下のような事業の実施状況が報告されています。

  1. 第5世代コンピュータの研究開発(通商産業省からの受託)
  2. 第5世代コンピュータの調査開発(社団法人日本機械工業連合会からの受託)
  3. 先端的コンピュータに関する国際協力の推進(日本自転車振興会補助事業)
  4. 国際交流および事業成果の普及・広報


「2.フォーカス・スナップ」では、
  • 第5世代コンピュータに関するシンポジウム (昭和60年5月21、22日)
  • 第3回日瑞ロジックプログラミングワークショップ (昭和60年11月13、14日)
に関し、発表風景、会場風景、交歓風景などの写真がご覧になれます。


「3.1先端的コンピュータの技術動行」では、 新世代コンピュータ技術動向調査委員会の委員長である、慶應大学の相磯秀夫先生から、前年度の委員会の活動概要を、以下の3つの分科会の活動を通して、報告されています。
  1. 第1分科会:知識ベース・システム
  2. 第2分科会:新アーキテクチャ
  3. 第3分科会:ヒューマン・インタフェース

「1.第1分科会:知識ベース・システム」では、

  1. 「1-1. 知識情報処理の一つの考え方」において、知識情報処理の中核になるKIPS(Knowledge Information Processing System)と従来のCIPS(Conventional Information Processing System)について検討しています。
  2. 「1-2. 将来への展望−−類推を中心として」において、人間特有の推論である、類推について検討しています。
  3. 「1-3. 知識ベース・システムと並列処理」において、知識ベースシステムと並列処理の関係を検討し、基本的な機能を持った、最初の知識表現言語「マンダラ」をICOTが開発された事が報告されています。
  4. 「1-4. 知識ベース・マシンの実用化の課題」においては、図1で、知識ベース・マシンの一形態を示し、表1には、知識ベース・マシンの応用分野を示して、知識ベース・マシンの構築と実用化を検討しています。
  5. 「1-5. 研究開発への今後の課題」においては、上記の検討を通して、これからのプロジェクトの研究開発のあり方を検討しています。

「2.第2分科会:新アーキテクチャ」では、

  1. 「2-1.全体動向」において、表2に並列処理を用いた高性能システムの例を示し、並列処理に適した新しいアーキテクチャを検討しています。
  2. 「2-2.データフロー・マシン」において、日本の代表的なデータ・フロー・マシンの研究開発担当者にヒアリングを行なったことが報告されています。
  3. 「2-3.大規模マルチプロセッサ」において、数千台のプロセッサを結合した大規模マルチプロセッサについて報告されています。
  4. 「2-4.非数値処理指向プロセッサ」において、非数値処理をねらった大規模プロセッサに関し報告されています。
  5. 「2-5.AIマシン」において、AIマシン、特にICOTのPSIを徹底的に調査していることが報告されています。
  6. 「2-6.オブジェクト指向システム」において、オブジェクト指向言語、オブジェクト指向マシンについて、報告されています。
  7. 「2-7.フォールト・トレラント・コンピュータ(FTC)」においては、FTC の分野の権威者である、UCLA の Prof.A.Avizienis氏と議論したことが報告されています。

「3.第3分科会:ヒューマン・インタフェース」では、

  1. 「3-1.重要性と課題」において、パーソナル・コンピュータ等の出現でコンピュータのユーザ像が大衆化し、ヒューマン・インタフェース研究の重要性が増した事と今までの発展過程が述べられています。
  2. 「3-2.ヒューマン・インタフェース研究の構造」においては、消極的ヒューマン・インタフェース、積極的ヒューマン・インタフェース、知的インタフェース、汎用インタフェースについて述べられています。
  3. 「3-3.認知心理学から見たヒューマン・インタフェース」において、認知心理学、実験心理学とヒューマン・インタフェースの関係が述べられています。
  4. 「3-4.使い易さの考察」において、システムが使いやすいとはどういうことか考察されています。
  5. 「3-5.応用分野におけるヒューマン・インタフェース」においては、応用分野の専門家に行なった、マンマシン・インタフェースに関するヒヤリングから得られた考察が報告されています。
  6. 「3-6.研究の新しい展開」において、インタフェース中心の考え方、新しい研究のあり方について検討されたことが述べられています。


「3.2先端的コンピュータの適用分野・波及効果」では、新世代コンピュータ適用分野・波及効果調査委員会の委員長である、技術評論家の唐津 一氏の以下の講演内容がご覧になれます。
  1. はじめに
  2. 第五世代の展望
  3. 柔かな社会
  4. 個人の課題
  5. セキュリティ
  6. 新しい事業機会
  7. 政策提言

「はじめに」では、最初に、近い将来に訪れるコンピュータ社会を概観し、新世代コンピュータ適用分野・波及効果調査委員会がまとめた報告書に書かれたテーマを表1に示し、本委員会の作業が述べられています。

「第五世代の展望」では、表1で挙げたテーマ内容を説明し、5Gの仕事がどう発展するか、図1に示し、従来の情報処理と知識処理の違いを図2に示して、第五世代コンピュータの将来を展望します。

「柔かな社会」では、 日本の社会が変化に対して非常に柔軟だということを統計で示し、その変化に対し、5Gがどのように拘る可能性があるのか説明しています。また、日本経済を支える企業の7つの問題を表2に挙げ、それに対して、5Gがどのような働きをするのか考察しています。

「個人の課題」では、 5Gが個人の生活にどのような影響を与えるか考察しています。

「セキュリティ」では、 表3に「セキュリティ対策の四局面」を挙げ、5Gとの関係を考察しています。

「新しい事業機会」では、 事業機会と、それらと人の一生の関わりが、表4、5に示され、どのくらいの事業規模になるか考察されています。

「政策提言」では、 5Gを成功裏に具体化するために、政策として7つの提言にまとめ、表6に示し、それらを個別に説明しています。


「4.ICOTだより」では、 「委員会開催状況」として、
  • 理事会
  • 業務委員会
  • 技術委員会
に関する開催状況が報告されています。


「5.ICOT研究論文・研究速報一覧」では、 ICOTジャーナルNo.7 以降発行された、4つの研究論文と18の研究速報のタイトルが分かります。