通商産業省は、 当初、 補助金で本プロジェクトを遂行することを考えていた
が、 各企業が消極的であったため、 全額政府負担の委託費で遂行することとし
た。
(注8) 1981年10月の国際会議でも、あまりにも野心的で達成が困難な計画であるとの
批判も一部にあった。
(注9) (財) 新世代コンピュータ技術開発機構は、1982年4月に設立された。
(注10) 通商産業省では技術開発予算を確保する際に、プロジェクトの構想段階では、
政府の経費を使わずに、外郭団体の研究会でプロジェクトの計画を練り、その結
果をもとに、 国の一般会計の予算を要求する傾向がある。また、 国の一般会計
は、シーリング等予算の制約があるため、第五世代コンピュータのように莫大な
資金を要するプロジェクトは、通商産業省では特別会計を利用するのが一般的で
ある。
(注11) 当初10年間の予定であったが、後期に要素プロセッサ用チップの開発に難航し
たため11年間となった。
(注12) 内田[1994] が詳しい。
(注13) 超 LSI 技術研究組合共同研究所では 、各研究室において室長の出身企業の研
究者数を若干増やした。超 LSI 技術研究組合については、榊原 [1981] が詳し
い。
(注14) この内容は、 (財) 新世代コンピュータ技術開発機構の出身者に対するインタ
ビューによるところが大きい。
(注15) 日本では理工系で5人のノーベル賞授賞者がいるが、いずれも、新しい事象の
発見、論文発表から15年以上経てからノーベル賞を授賞した。このように革新的
な技術は早々に評価できるのではない。
(注16) SCISEARCH(Institute for Scientific Information(ISI)が作成する、科
学・技術・生物医学 及び 関連分野の文献に関する国際的・学際的な情報データ
ベース)を用い、分野を「コンピュータ分野」に限定し検索した。
(注17) 鉱工業技術研究組合は、 1961年に制定された鉱工業技術研究組合法に基づき、
特定の研究課題について企業が研究者、資金を出し合い、共同で研究を行う非営
利の組合である ( 後藤・若杉 [1984]、 若杉・後藤 [1985]、 Saxonhouse
[1985]、 Sigurdson [1986]、 Hayashi,Hirano and Katayama [1989]、 児
玉 [1991]、Odagiri and Goto [1993] が詳しい)。
(注18) 鉱工業技術研究組合は、共同研究を実施し、その成果を組合員が享受しあうと
いう性格上、組合自体としては営利を目的とする営利法人ではないが、試験研究
を通じて組合員の共同利益を追求することを目的とし、不特定多数者のための公
益に関する事業を行うものでないから公益法人ではなく、中間的な性格を有する
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