ICOT FREE-SOFTWARE ニュースレター

平成4年7月1日 第1号


[Table of Contents]




【はじめに】

  財団法人 新世代コンピュータ技術開発機構 (ICOT) では、当機構で作成し
たソフトウェアをコンピュータ科学における研究開発に有意義に活用して頂く
ために、一般企業、研究者等を対象に無償で公開することとなりました。ここ
で無償公開されるソフトウェアは、無保証の前提で、利用者が使用、変更、複
製、配布を自由に行うことができます。本無償公開ソフトウェアが皆様の研究
開発のお役に立てれば幸いです。
  このニュースレターは、このような趣旨で公開されるソフトウェアに関して
の情報をご連絡するためのもので、無償公開ソフトウェアに関して、新たにお
知らせすることがあるたびに発行する予定です。

  なお、無償公開ソフトウェアの一覧については、先般行われた「第五世代コ
ンピュータ国際会議1992」においてお配りした「ICOT無償公開ソフトウェア一
覧」をご覧下さい。もし、この冊子がお手もとに無い場合には、下記お問い合
わせ先までご請求下さい。

  また、皆様の近くに、ICOT無償公開ソフトウェアに興味をお持ちの方がいら
っしゃいましたら、今後、本ニュースレターをご送付いたしますので、本号末
尾の宛先までご連絡ください。



【配布方法・時期】

  ICOT無償公開ソフトウェアは、ICOTにあるftpサーバマシンから、anonymous
ftpを利用して入手していただけるよう、現在準備を進めております。また、
特に日本国内に限り、フロッピー・ディスク、あるいはテープによる配布も行
う予定です。

  配布開始時期は8月ごろになる予定ですが、各ソフトウェアごとに準備が整
いしだい、順次このニュースレター誌上にてお知らせする予定です。



【無償公開ソフトウェアの内容】

  ・分野別分類:
        記号処理分野                                 8本
        知識処理分野(知識表現、知識ベース、制約)    13本
        知識処理分野(問題解決、高次推論、定理証明)  11本
        知識処理分野(自然言語処理)                  19本
        応用実験分野                                20本
       -------------------------------------------------
        計                                          71本

  ・使用言語別分類:
        KL1系                                       36本
        ESP系                                       19本
        Common ESP系                                 6本
        C系                                          5本
        Prolog系                                     5本
       -------------------------------------------------
        計                                          71本



【動作環境】

  無償公開ソフトウェアの動作環境としては、KL1系、およびESP系のソフトウ
ェアに対しては、それぞれ並列推論マシンPIM / マルチPSI、あるいは逐次推
論マシンPSIが必要となりますが、これらのソフトウェアをUNIXマシン上で動
作させるためのシステムとして、「PDSS」および「Common ESP」があります。

  PDSS (PIMOS Development Support System) は通常のBSD系のUNIXマシン上
でKL1プログラムを動作させるためのシステムで、マルチPSI上のKL1システム
とは、実装方式や実行速度の点を除いては、かなりの部分でコンパチビリティ
が確保されています。大規模なKL1プログラムをそのままPDSS上で動作させる
ことは様々な制約のために困難ですが、部分的に動作させることは原則的に可
能です。そのための留意事項などに関する資料は、ソフトウェアと共に公開・
配布する予定です。なお、PDSSはICOT無償公開ソフトウェアの中に含まれてい
ます。

  また、Common ESP は、UNIXマシン上でESPプログラムを動作させるためのシ
ステムで、入出力や若干の述語の仕様を除いて、ESPとのコンパチビリティが
確保されています。Common ESPで記述されているプログラムはもちろんのこと、
ESPで記述されたプログラムも、一部変更を加えることでUNIXマシン上で動作
させることが可能となります。この変更の詳細についても、資料を公開・配布
いたします。なお、Common ESP処理系は、株式会社AI言語研究所 (AIR) から、
研究目的に限って無償配布されています。Common ESPについては、

            〒105 東京都港区芝 3丁目15番15号 
                  桜井ビル3階
                  株式会社  AI言語研究所
                  研究管理部

                  e-mail: cesp-request@air.co.jp
                  FAX: 03-3456-4418

まで御連絡下さい。



【ICOT無償公開ソフトウェアに関するお問い合わせ先】

  本ソフトウェアに関するお問い合わせ、ご連絡は原則としてe-mailでお願い
します。本号のニュースレターをe-mail以外の媒体でお読みになった方で、今
後e-mailを使ってニュースレターをお受け取りになりたい方は、次のアドレス
までその旨ご連絡ください。

	e-mail : ifs@icot.or.jp

  なお、e-mailがご利用になれない方は、お問い合わせの節は以下の宛先まで
郵便またはファックスでご連絡ください。

	〒108 東京都港区三田 1丁目4番28号
	      三田国際ビル 21階
	      (財) 新世代コンピュータ技術開発機構
	      無償公開ソフトウェア係

	      FAX: 03-3456-1618

                                                                  以上

www-admin@icot.or.jp