(35)制限依存文法:RDG


	マ シ ン:UNIXマシン
	環  境:UNIX
	言  語:SICStus Prolog
	ソース量:80 KB
	文  書:簡単なマニュアル (日本語/英語)


概要

自然言語処理において、日本語の係り受け関係を解析する文法である。

機能

RDG (Restricted Dependency Grammar) は、日本語の構文解析を行うための文 法である。文法の入力は、文節切りされた文であり、文節間の係り受け関係が ネットワーク構造の形で出力される。RDG の特徴は以下の通りである。

  1. 文全体の構造を決定するための言語的な制約に、文節同士の結びつきの強 さの度合いを利用した文の大局的な情報を用いている。これにより、文節間の 係り受け関係を制限することができ、結果的に可能な解釈の組合せを抑えるこ とができている。
  2. RDG で対象とする依存構造は、係り受け解析を基本としたこれまでの多く の研究で導入されていた一文節一修飾という構造的な制約を緩め、一文節の複 数修飾という係り受け関係により得られる構造を含む。この構造を認めること により、省略現象の一つであるゼロ代名詞の認識が可能となっている。
  3. 新聞の社説記事を用い、一般的な文を対象としたときにこれが正しく解析 できるかどうか、また係り受けの強度を用いることにより曖昧性が構文レベル で十分抑えられているかどうかに基づき、評価実験・検証がなされている。

文法の動作環境

RDG は、文法の制約の評価系をインプリメントしたパーザ上で動作可能である。 そこで、文法の制約をインプリメントしたプログラムの他、この制約に基づき ボトムアップ縦型の解析を行うパーザプログラムが付随されている。このパー ザは、バックトラックにより可能な依存構造をすべて作り出す。入力データの 例として、文節データが用意されている。このデータは新聞社説記事を文節切 りし、係り受け解析に必要な情報を付与したものである。

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