PIMのような数百台の要素プロセッサを有するシステムの上でプログラムの挙 動を把握することは容易ではない。
知識処理の応用プログラムでは、そのプログラムのどの部分が、いつ、どのく らいの処理を必要とするか、前もって予測することが難しい。従って、ひとつ の仮定のもとに、プログラム実行の負荷を分割し、要素プロセッサへ割り当て る。
そして、その仮定が妥当か否かを、実際に並列マシン上の負荷バランスをモニ タリングして確認する。 通常、この負荷のバランスをとるためのチューニン グは、何度か繰り返し、より効率のよい負荷配分方法を求める。
このような努力の結果得られたランタイム・モニターの画面を、いくつかを集 めてみた。ひとつの仕事が、動的に分割され、次々と要素プロセッサ間を伝搬 していく様子を見ることができる。実際は、これらは連続した動画のように見 ることができるものである。
ランタイム・モニターの画面の構成は、PIM/mとPIM/pとでは、少し異なる。PIM/mは、単純な 碁盤の目状に要素プロセッサを結合しているのに対して、PIM/pでは、要素プ ロセッサを8台づつ共有バスで結合したクラスタを設け、このクラスタを64個 結合している。
PIM/mのランタイム・モニター画面は、256台をひとまとめに見るものとなって いる。縦軸は、要素プロセッサの番号で、0から255までがある。横軸は、2秒 ごとの負荷の変化を色で示している。赤は、100%ビジーで青はアイドル状態で ある。
PIM/pの画面では、512台の要素プロセッサが、8台ごとに64個のクラスタに分 割されているのに対応して、64個の長方形から構成されている。各長方形の中 が、さらに縦に8つに分割され、それぞれの領域が、8台の要素プロセッサの稼 働状態を示している。負荷の変化はやはり、2秒ごとにサインプリングしたも のである。
一般に、一つのプログラムの実行が開始されると、最初は、負荷が徐々に増加 することから、青や緑の色が多い。やがて、負荷が十分に発生すると、黄色や 赤が多くなる。プログラムの終了に近くなると、また、緑や青となる。
しかし、各プロセッサが、同期して、一斉に仕事を始めるものでは、多くの要 素プロセッサの表示が、一斉に赤となり、終了とともに、緑や青となる。
あとは、実際に画面イメージを見てお楽しみ下さい。