Proceedings of the FGCS PROJECT EVALUATION WORKSHOP 第五世代コンピュータシステムプロジェクト評価ワークショップ June 3,1992 平成4年6月3日 Tokyo Prince Hotel,Magnoria Hall 東京プリンスホテルマグノリアホール Institute for New Generation Computer Technology 財団法人 新世代コンピュータ技術開発機構 ICOT - 1 - まえがき 第五世代コンピュータプロジェクトが、1982年に開始されてから、10年が経過した。 この問、私達は論理プログラミング言語を中核として、高度並列処理技術と知識処理技術 を結び付けた新しいコンピュータ技術の創出をめざし、新しいコンピュータのハードウェア やソフトウェア技術、および、その基盤となる理論の研究開発を進めてきた。また、プロ ジェクトの最終目標として、これらのソフトウェアやハードウェアを一体化したプロトタイ プシステムを試作し、新たに開発された技術の客観的な評価を行なうことを目指した。 その研究開発は、多くの技術的に困難な問題を含んでいた。しかし、幸いにも、本プロ ジェクトと共に、論理プログラミングや知識処理の研究分野は、大きな成長を遂げた結果、 多くの研究者を生み出していた。私達は、これらの世界中の多くの研究者の協力を得て、そ れらの問題を解決することができ、その結果、プロトタイプシステムを完成することがで きた。そして、国際会議FGCS'92で、このような本プロジェクトの成果を発表するととも に、ソフトウェアやハードウェアのデモンストレーションを行なった。また、このプロジェ クトで開発されたソフトウェアを無償で公開し、世界のコンピュータ科学技術の発展に貢献 する道を開くことができた。 私達は、この機会を捉え、第五世代コンピュータ技術関連の研究分野の指導的研究者を 海外より集めてワークショップを開催し、本プロジェクトの創出したソフトウェアやハード ウェア技術、および、本プロジェクトの達成した学術的、政策的な貢献について、評価して もらうことを計画し、この評価ワークショップを開催した。このワークショップでは、海外 より招いた研究者のうち、特にこれまで本プロジェクトにおいて実施した、いろいろな国際 共同研究に協力してもらった研究者を選び、本プロジェクトの評価についての意見を発表し てもらい、議論した。 このプロシーデングスは、このワークショップの趣旨説明を含むプログラムとこのワー クショップでの発表内容を後から論文にしてもらったもの、さらに、本プロジェクトに関す る意見を手紙でおくってくれたものなどを含んでいる。その内容は、本プロジェクトが海外 の政府主導のプロジェクトに与えた影響や、コンピュータ科学技術の分野への貢献に関する もの、論理プログラミングや並列処理などの技術内容の評価に関するもの、知識処理の応用 の将来に関するもの、ソフトウェア無償公開に関するもの、今後ICOTは何をなすべきか という将来展開に関するものなど、多岐に渡るものであった。ここにまとめられたさまざま な意見は、第五世代コンピュータに関連する技術的な面に留まらず、日本の国家プロジェク トが世界の先端技術開発の中で、何をなすべきかという政策的な面にも及んでおり、今後の 日本が研究開発を行なう場合考慮すべき条件を示すものとなっている。 その意見は、極めて建設的なもので、私達、このワークショップの主催者は、これらの 意見を寄せられた発表者と議論に加わった参加者に、深く感謝するものである。このプロ シーディングスが、第五世代コンピュータプロジェクトの技術的、学術的、そして、政策的 な評価に関心を持つ、今後、先端研究開発を担うであろう、研究者、技術管理者、政策担当 者などの参考になれば、幸いである。 '92年8月1日 内田 俊一、淵 一博 - 5 - FGCS Project Evaluation Workshop Program FGCSプロジェクト評価ワークショップ プログラム June 3.1992 平成4年6月3日 Tokyo Prince Hotel,Magnoria Hall 東京プリンスホテルマグノリアホール Institute for New Generation Computer Technology 財団法人 新世代コンピュータ技術開発機構 ICOT - 9 - FGCSプロジェクト評価ワークショップのご案内 1 開催の趣旨 このワークショプは、本プロジェクトの研究開発、および、種々の国際交流の実施に当 たり、御支援と御協力を頂いた海外の研究者の方々に、本プロジェクトの最終成果につい て、いろいろな観点から、評価して頂き、御意見を頂くことを目的としております。また、 同時に、これまでの十年間に、本プロジェクトに賜わった御支援、御協力に、謝意を表する 機会とさせて頂くことを意図しています。 国内からは、本ブロジェクトの評価作業を担当されている日本側研究者の方々、および、 本プロジェクトを実施した、通産省、ICOT、および、関連研究機関やメーカ関係者か参加 し、海外研究者の方々の評価に関する御意見を聞き、議論し、その結果を、評価作業に反映 させることを予定しています。このほか、本プロジェクトのソフトウェア無償公開や、今後 の展開に関しても、合わせて議論し、御意見を頂くことを意図しています。 尚、本ワークショップは、密な議論を行なうために、クローズド・ワークショップと致 します。 ワークショップ委員長 淵 一博 代表幹事 内田 俊一 小川 義久 2 開催日時/場所 日時: 6月3日(水)16:00〜21:30 場所: 東京プリンスホテルFGCS'92会議会場内 会議室: 2Fマグノリアホール (デモ会場行きのエスカレータに乗り、降りてから左へ) - 11 - 3 ワークショップのプログラム 1)第一部(16:00-18:30) 司会:内田、小川 挨拶 広重 専務 趣旨説明 淵 所長 海外研究者よりの評価についての講演と質疑 講演予定者10名(一人あたり:10分講演十質疑5分の予定です。) 1)D.Warren Bristol Univ. 2)W.Bibel Darmstadt Univ. 3)K.Clark Imperial College 4)R.Feldmann NIH 5)G.Kahn INRIA 6)M.McRobbie ANU 7)E.Shapiro Weizmann Inst. 8)R.Stevens ANL 9)S.Sundström SICS 10)S.Tärnlund Uppsala Univ. 2)淵所長主催夕食会(18:30-20:00) 場所:3Fレストラン:ゴールデンカップ 3)第二部(20:00-21:30) 司会 淵、内田 挨拶 林 電子政策課 課長 説明 佐伯 電子政策課 技術理長 議題 ソフトウェアの公開と今後の技術的展望 質疑応答 *第二部は、日英の逐次通訳つきで行ないます。 - 13 - 4 参加者リスト 4.1 海外参加者 アメリカ合衆国 J. Alan Robinson Syracuse Univ. Y. T. Chien NSF Richard J. Feldmann NIH Rick L. Stevens ANL Ross Alan Overbeek ANL Mark E. Stickel SRI Evan Tick Univ. of Oregon 英国 Robert A. Kowalski Imperial College Keith Clark Imperial College David H.D. Warren Univ. of Bristol フランス Gilles Kahn INRIA Alain Michard INRIA Hervé Gallaire GSI (ex. ECRC) スエーデン Sten-Åke Tärnlund Uppsala Univ. Siwert Sundström SICS Seif Haridi SICS イスラエル Ehud Shapiro The Weizmann Inst.of Science ドイツ Wolfgang Bibel Univ. of Darmstadt 才一ストラリア Michael A. McRobbie ANU Robin B. Stanton ANU EC Jean-Marie Cadiou ESPRIT - 15 - 4.2 国内参加者 MITI諮問委員会委員長 田中 英彦 東京大学 MITI諮問委員会評価WG委員 田中 穂積 東京工業大学 溝口 文雄 東京理科大学 二木 厚吉 電子技術総合研究所 後藤 滋樹 NTT基礎研究所 後藤 厚宏 NTTソフトウェア研究所 天野 英晴 慶應義塾大学 ICOT-PPC委員 柏木 寛 電子技術総合研究所所長 鶴保 征城 NTTソフトウェア研究所所長 メーカ技術委員(代理含む)および招待者 宮崎 収兄 (沖)総合システム研究所 小渕 保司 (シャープ)情報技術開発センター 河田 勉  (東芝)情報システム研究所所長 梅村 護  (日電)C&Cシステム研究所 石原 孝一郎 (日立)システム開発研究所 主管研究員 棚橋 純一 (冨士通)研究所基礎システム研究部門 部門長 山崎 正人 (松下)情報通信東京研究所 基礎研究部長 曽我 正和 (三菱)情報電子研究所所長 田中 千代治 (三菱)開発本部開発部参与 上原 貴夫 (冨士通)研究所情報処理研究部門部門長 長島 重男 (日立)中央研究所第6部長 - 17 - MITI機情局 林 良造  電子政策課課長 佐伯 俊則 電子政策課技術班長 宇治 浩明 電子政策課 ICOT参加者 広重 博一 専務理事 淵 一博  研究所長 黒住 恭司(総括担当次長) 古川 康一(研究担当次長) 内田 俊一(研究部長)   小川 義久(研究計画部長) 北村 重人(総務部長)   原 弘(調査国際部長) ICOT研究部長代理、研究室長、室長代理、テーマリーダ 村沢 好信 長谷川 隆三 瀧 和男 平田 圭二 近山 隆   上田 和紀 横田 一正 安川 秀樹  相場 亮 藤田 正幸 田中 裕一  新田 克己 市吉 伸行 ICOT事務局およびサポートスタッフ 岩田 和秀 佐藤 博  谷 和純 渡辺 淳三 神林 靖  東条 敏 湛 久徳  浪越 徳子 樋口 笑子 唐川 久美子 - 19 -