MGTP応用システム(1) アブダクション・システム 概要 MGTP上に開発したいくつかのアブダクション・システムのうち、図1に示す構成によって表されるような、MGTPを用いたアブダクション・システムを実現するための2種類の構築方法(MGTP+MGTP方式、Skip方式)を示す。与えられた入力はそれぞれのシステムに対応するように変換される。この2つのシステムについて、論理回路設計問題を例題として、デモンストレーションを行う。 アブダクション ここではアブダクションを、論理式(ホーン節)の集合Σ、アトムの集合F、閉論理式Gが与えられたときに、(Σ,F)からのGの説明を計算することと定義する。ここで、Fの要素の基礎例の集合Eが(Σ,F)からのGの説明であるとは、(1)ΣUEG、(2)ΣUEは無矛盾、を満たすこととする。 MGTP+MGTP方式 このシステムでは、Fの各要素Hはfact(H,{H})のように変換され、さらに、Σ中の各ホーン節 は fact(AlE1),...,fact(A ,E )→fact(C,のようなMGTPルールに変換される。ここに、EはFの基礎例の部分集合であり、アトムAが依存する仮説集合を表す。また、tは次のように定義される関数である。 MGTP-1が新しい基礎アトムを導くたびに、組み合わされる仮説集合の無矛盾性がMGTP-2によって検査される。この構成(図2)においては、一度に生成される複数のMGTP-2に並列性がある。 Skip方式 Σの任意の節が、その前件部に仮定可能なアトム O)を含んでいるとき、すなわち、 であるとき、これを以下のような形式のMGTPルールに変換して扱う: つまり、前件部における各仮説はマッチングの対象から除外され、右辺にSkipされる。この方式では、もしモデル候補がととを含んでいたならば、次のスキーマによって棄却される: このシステムでは、MGTPが提供するOR並列を利用した並列化がなされている。また、この方式において、構成されるモデル候補の組合せ数を減少させるような知識を自動的に生成する方法についても示す。 MGTP応用(2) プロトコル仕様記述システム 概要 複雑なプロトコルの仕様を容易に記述できるように、プロトコル仕様記述言語Ackを提案した。また、その処理系を並列定理証明技術を利用して開発し、電話交換機のサービス記述に適用した。 Ackの記法 ●原子論理式 ●節 Ackの公理 ●同期状態遷移の合成 記述と合成の例 並列データベース管理システムKappa-P 概要 Kappa-P(Knowledge Application-Oriented Advanced Database Management System)は、PIM上の並列データベース管理システムである。このシステムは、知識情報処理システムや知識べース管理システムに、効率的なデータベース管理機能を提供するものである。 特徴 非正規関係モデル 複雑な構造のデータを効率的に処理するために、非正規関係モデルを採用している。これは、集合構成子と属性の階層構造をもつため、関係モデルに比べ、データ構造を自然に表現できる。 データ配置と並列処理 各クラスタごとに問合せ処理能力をもっているため、非正規関係の分散配置や、一つの非正規関係を複数のクラスタに分ける水平分割によって、クラスタ間の並列処理が可能になる。クラスタ内で、主記憶と二次記憶の両方に複製を配置する擬似主記憶データベースは、クラスタ内並列処理をねらう。 応用プログラムの取り込み 同じマシン上で動作する応用プログラムとの通信量を減らすため、応用プログラムの一部を問合せ処理をおこなうクラスタで実行する機能を持つ。