研究の目的 近年、電子交換機などの電子装置は益々複雑化しており、その保守が困難になっ てきている。これを自動化する技術として、専門家の保守の知識をインタビュー により聞き出し、ルールで表現して推論を行うエキスパートシステム技術に期待 がかけられている。しかし、知識を引き出し、ルールとして記述することが予想 以上に困難であるために、小規模の対象装置に適用されるにとどまっている。そ こで、対象装置の構造と動作に関する設計データのみを利用して診断を行うモデ ルベース診断システムの方式が研究されている。この方式は、設計データを利用 するので専門家のインタビューなどを必要としない反面、保守の専門家の経験的 知識を利用しないため、効率的な診断が行えない欠点があった。 本研究では、モデルベース診断に経験的知識を利用する機能を付加し、効率よ い診断を可能にすることと、経験的知識を過去の事例から効率よく学習する機能 を実現すること、及びそれらの複雑な処理を並列処理により高速に実行する技術 を確立することを目的として行われた。 システムの概要
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