第4章 米国の連邦政府R&D計画における省庁間の役割分担と連携の仕組み
4.4 結論
省庁間プログラム (機関横断プログラム) の創設と運営/管理は複雑な仕事であり、その実施に成功することは、現実には達成できそうもない幻の目標であった。それでも、国家がより賢明かつ効果的な科学技術投資を実施するための有効な手段になるという点で、省庁間プログラムは、やはり追求するに値する目標である。米国では、省庁間プログラムが必ず成功しているとは言えないが、近年では成功事例も生まれ始めている。今回の調査は、米国の幅広い省庁間活動の経験から教訓を汲み取ろうとする包括的な試みである。こうした活動は、コア・テクノロジーの開発支援から、草の根レベルの活動を通じた小規模プログラムの育成、そして大規模なイニシアチブに至るまで多岐にわたるが、いずれの活動も省庁間連携プロセスに対して独自の形で貢献してきた。省庁間活動業績マトリックスを使用して、このような諸活動の検証と分析を行った結果、効果的な連携を可能にする重要な因子と要素の一部が明らかになった。ただし、連携を確かな成功へと導く魔法の公式や処方箋が見つかったわけではなく、単に、将来同じ道を歩む者が少しばかり確かな足取りで進めるようになっただけであるが。