まえがき

「情報先進国の情報化政策とわが国の情報技術開発における重点分野の選択指針」は、
第I編 情報先進国の情報化政策
第II編 わが国の情報技術開発における重点分野の選択指針
の2編から構成されている。
 第I編では、平成10年度に引き続き、米欧など情報先進国が掲げている情報技術とその活用に関するビジョンや政策、対応する研究開発戦略や計画についての調査を行っている。競争相手と想定される諸国が当初掲げたビジョンや技術開発計画がその後どうなったのかを把握しておくことは、これからわが国の情報技術開発のビジョン策定や重点投資分野の選択を行う上で重要な前提条件となる。
 第II編では、情報技術開発の重点投資分野選択の第一段階として、マクロな領域分類として、「プラットフォーム − コンテンツ − ユーザインタフェース」という図式の提案を行い、この中で従来の研究開発分野の分類を試みた。その分類によると、従来の研究開発はプラットフォーム領域に集中している。一方、コンテンツやユーザインタフェース領域は、広範な応用分野の展開や、家庭における老若男女やハンディキャップのある人などの情報端末利用によるユーザ層の拡大が予測され、研究開発のフロンティアとなることが明確に認識できる。重点投資分野の選択指針として、これら領域に注目すべきことを提言している。
本報告書は、当研究所の研究員や外部の有識者、三菱総合研究所の研究員による数回にわたる議論を行いとりまとめた。

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