ということである。 少なくとも本レポートから言えることは、米国政府は個々の米国企業が政府支援によって経済的利益を得ることは、それら企業が市場原理によって選ばれ、それら企業が政府支援に基づく便益を基礎にさらに市場での経済的発展を企図しているかぎり、望ましいことだと考えている、ということである。すなわち、競争を通じて切磋琢磨する意志と能力のある個々の企業に対しては積極的に便益を与え、それがひいては国家経済の発展や国民福祉の増進に長期的に寄与するであろう、という信念である。
本レポートを通じて、1)連邦政府によるCAS/FAR/GAAPベースの費用会計システム、2)民間契約請負者への手厚い知的所有権保護、そして3)クリントン政権に見られるGPRAによる業績ベースの予算実現による行政改革への真剣な努力を見てきたわけであるが、ここから三者に共通する「米国連邦政府の信念」とでも言うべき根本原則を抽出することができる。
すなわちそれは、
さらに、本レポートでカバーした3つのイシューをおしなべて考えてみると、これらに共通する根本的問題へ立ち返ることにならざるを得ない。すなわち、
「政府とは一体誰の利益を最大化するための存在なのか?」という疑問である。それは、