清里町 Kiyosato T.

どうして目的地を清里町にしたかというと,温泉があることがホクレンマップから分かっていたからだ.無論,斜里町でやり過ごしたかったのだが,斜里には銭湯もあるかどうか疑わしかったので,国道 334 号を追いかけ,後は釧網本線沿いに清里町に来てしまった.

清里町は,甲斐信濃の清里とはまったく異なる土地で,こじんまりとした静かな街だった.やっぱりに行くと,なんと駅舎に電気屋や同居している.しかもレンタルビデオまでやっている.こんな駅舎,見たこと無い.待合室には所狭しと特価品のエアコンやテレビが並び,JR北海道の付けた「清里駅」という看板よりも大きな電気屋の看板が,ネオン管付きで掲げられている.
「はぁー」
と嘆息して,駅前にある地図で温泉と公園を探す.公園が無ければ,駅前でもいいだろう.

温泉はすぐに見付かった.地元の自慢の施設らしく,総合温泉施設の様相だった.受付に行くと,横に,
「歓迎 東京大学陸上部様」
と書いてあった.
「東大陸上部も渋いな,こんなところで合宿とは」
とか思いながら,風呂に浸かった.

風呂を出て,キャンプ場を探す.幼稚園はあったが,幾分人目に付きやすいところなのでパス.うーむ.駅前に張るか,と駅に戻って所在なげにまた地図を見ると,ずーっと上の方に総合運動公園のようなものがある.さっきは見逃してしまった.早速移動開始.駅から真東,つまり斜里岳のほうに少し行くと,その公園はあった.まったく問題無し.水ある.トイレある.東屋ある.そして芝生.完璧だ.他にキャンパーがいないのが不思議なぐらいだ.

夕食が済んで,後は寝るだけという段階になって,雨が降ってきた.風も出てきたみたいだ.
「あぁあ,こーなるんだったら東屋の方にテント張るんだったよ」
と,トイレと水場が遠くなるのを避けて,芝の上にテントを張ってしまったことを悔やむ.

「ま,いいや.朝までには晴れるだろー」


Next-spot is 小清水原生花園.