霧多布岬 C. Kiritappu

霧多布市街に入り,岬方面へ走る.
「岬で昼飯だな」
とか考えながら走っていると,前方から数人のチャリダーが走ってくる.
「おりょ? 見たことある自転車だな‥‥おぉぉぉ!」
サークルの後輩連中である.現幹事長トーゲン(仮名)率いる「ムツゴロー塾」の面々である. ムツゴロー動物王国 を見るために組織されたメンバーで,一般には開放されていない王国に,出来る限り接近しようというのが主目的.ちなみに彼らはちょうど今,霧多布岬キャンプ場を出てきたところらしい.なんて怠惰な奴等だ.
とりあえず俺は岬へ向かい,彼らは塾の使命ともいえるムツゴロー王国へと走っていった(後に彼らとは根室でもゲキテキな再会を果たすことになる).

岬は以前にも車で行ったことがあったので,それほど楽しみにはしていなかったが,何しろこの頃から急に雲がいなくなり,霧多布には珍しく(少なくとも僕は初めて)快晴の天候のもと岬を訪れることができたのである.
岬への道はやはり台地状になった小高いところを走り,キャンプ場もある草原のなかを海風に誘われるようにして岬へ向かう.他のチャリダーやライダーが,花に群れるように岬へ向かう.岬へ‥‥
なんてなこともチョットは思っただろうが,実際はレンタルのママチャリで岬へ向かっている観光客をゴボウ抜きにして,「腹減ったよぉ」とかブツブツ言いながら走っていたに違いない.

一通り岬を見てまわり,たらふく昼飯も腹に押し込んで
「さぁて,今日はどこまで行くかな」
と,しばし昼寝も兼ねて横になる.
「とりあえず,俺もムツゴローに会ってみようかな?」

というわけで,会えるわけもないムツゴローを目指し,海岸沿いの道を再び東へ走り始めたのである.


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