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IPマルチキャスト

インターネット応用特論 第3回課題内容
SOIシステムの中で、どの部分にマルチキャストを利用すると有効か 考えなさい。

まだ十分に理解できていないので、まずマルチキャストの特徴を挙げる。 次に特徴について考察を行う。


特徴

マルチキャストは、1対特定の多数の通信である。 ブロードキャストが1対不特定多数の通信であるのと比較して、 送信先が特定されているという特徴がある。

特定の多数に送信を行うには、1対1のユニキャストを複数行う方法もある。 この方法は、送信先だけが異なる複数のユニキャストを送信元が繰り返さなければならない。 一方、マルチキャストならば送信元は1回行えば良い。 送信先の個数を N とすると、送信元の負担は 複数ユニキャストの場合 O(N)、 マルチキャストの場合 O(1) である。

中継地点の同じ複数の送信先がある場合、マルチキャストならば 中継地点までは1つのパケットが送られ、 中継地点でパケットがコピーされて複数の送信先に送られる。 複数ユニキャストと比較して送信回数が同じなので中継地点の負担は変わらず、 送信元から中継地点までの経路の負担が軽くなる。 ただし、中継地点はIPマルチキャストを理解し、コピーを行わなければならない。 例えば、Ethernetのブリッジはここでいう中継地点ではない。


考察

アンバランス

1対1でないという意味で、マルチキャストは送受信が対等でない。 このモデルをSOIシステムに当てはめると、 SOIから履修生・聴講生への通信にマルチキャストを利用するのが良いと考える。

逆に、履修生・聴講生からの通信にマルチキャストを利用すべきではない。 個々の履修生・聴講生から、SOIおよび履修生・聴講生全員のグループへ 容易な通信を許すと、SPAM・チェーンメールと同様の状況に陥る可能性がある。 もっとも、これは履修生・聴講生グループが適切に管理されていない場合の問題である。 履修生・聴講生グループが小さなグループ、あるいは細分化されたグループに 制限されていれば、グループ内でのマルチキャストによる通信コストは 現実的に許容できる範囲に収まる。

グループ管理

マルチキャストのグループ管理は、受信者の要請によって行われる。 受信者がグループのサーバに参加・脱退を要求し、サーバがそれを受理する。 この方式の問題は、送信者がグループを特定しづらいことである。


まとめ

1対特定の多数の通信であるマルチキャストは、 SOIから履修生・聴講生への通信に利用するのが良い。 具体的には、衛星受信者へのリアルタイム講義配信などに向いており、 すでに利用されている。

逆に、履修生・聴講生からの通信にマルチキャストは必要ない。 フィードバックを期待するなら、ユニキャストを利用すれば良い。 フィードフォワードを期待するなら、フィードバックで得られた情報を SOIがマルチキャストすれば良い。

うーむ、つまらない結論でごめんなさい。


早稲田大学 理工学研究科 情報科学専攻 600P031-4 高木祐介